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¥17,000,000 (Direct Cost: ¥17,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥17,000,000 (Direct Cost: ¥17,000,000)
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Research Abstract |
自律分散システムの協調規約と通信規約の基本思想を確立するため人文社会学的・産業政策的,技術的調査を行ない,基本的枠組みを設定した.ハイレベル・ペトリネットを要求仕様記述言語として利用できるか否かの検討を表現能力,記号操作性,電子ファイル化容易性の視点から実施した.つぎに集中管理を排除した分散システムでは,個の自律性ゆえに参入・退出は自由であり,変動する環境に対しては迅速な対応が求められている.プロトコルに柔軟性と自己組織性を付与するAI的機構のモデル化を行なった.すなわち本年度は耐故障性を取り上げ,LANにおける通信パケットの種々の衡突回避方式のためのアルゴリズムを提案し,シミュレ-ション実験よりそれらの有効性を示した.また協調行動における情報の伝播と収集,因果関係の作用・反作用,競合解消調停などが,ハイレベル・ペトリネットでどのように表現され,どのような動作として対応付けされるかという関係について,いくつかの例を用いてこれらを明らかにした.ここでは自由主義社会をひとつの自律分散システムと見立て,そのネットワ-クの挙動を解析問題,アルゴリズム設計問題等へと定式化し,研究目標の設定を行なった.さらにペトリネットをベ-スとする視覚言語の設計を行ない,協調規約,通信規約の記述テストを実施した.またLANをゲ-トウェイを通じて相互接続したより大規模な広域分散網のプロトタイプ通信網を設定し,諸規約の実現可能性,仕様検証のためのシミュレ-ション実施プランを作成して,アプリケ-ション(アクティビティ・モニタ)のプロトタイプを実現して,その有効性および動作性を確認した.
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