3ーイソプロピルリンゴ酸脱水素酵素の基質認識及び反応機構の動的解析
Project/Area Number |
02250215
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
柿沼 勝己 東京工業大学, 理学部, 教授 (90092543)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 高度好熱菌 / 3ーイソプロピルリンゴ酸脱水素酵素 / 3ーイソブチルリンゴ酸 / 2ー0ーメチルー3ーイソプロピルリンゴ酸 / 3ー(1ーフルオロイソプロピル)リンゴ酸 / [2,3]Wittig転位 / 不競争的阻害 / イソクエン酸脱水素酵素 |
Research Abstract |
高度好熱菌<Thermus>___ー <thermophilus>___ー HBー8由来の3ーイソプロピルリンゴ酸脱水素酵素(IPMDH)の反応機構及び基質特異性を明らかにする目的で,ジアセトングルコ-スの分子全体の不斉構造を鋳型とし,鍵反応として[2,3]Wittig転位を用いる方法で,3ーイソブチルリンゴ酸及び2ー0ーメチルー3ーイソプロピルリンゴ酸を不斉合成した。前者はIPMDHに対するKm値はほゞ1/4であり、一方Vmaxは本来の基質である3ーイソプロピルリンゴ酸(IPM)のほゞ2倍であった。これはIPMがIPMDHの最も適した基質であると必ずしも言えないこと,すなわち,基質疎水性基に対する酵素の認識部位がIPMに対し完全に適合している訳ではないことを示唆している。後者の2ー0ーメチル体は全く基質とはなり得ず,IPMDHに対し阻害作用を示した。濃度変化によりLBプロットを取った結果、この阻害は不競争的であることが分った。二量体構造のため酵素に存在する二個所の活性部位のうち,実際には反応に関与しない側の基質認識部位と結合しているものと思われる。近縁のイソクエン酸脱水素酸素に対する2ー0ーメチルイソクエン酸の効果はこれまで全く検討されておらず、新しい知見である。さらに,機構依存型で酸素と共有結合を形成しうる阻害剤として3ー(1ーフルオロイソプロピル)リンゴ酸を設計し,既に開発していラセミ体IPMの合成法に倣ってラセミ体として合成した。IPMDHによる反応で生成するフッ素化2ーオキソイソカプロン酸からの脱フッ化水素と引き続く1,4付加反応を期待したが,本物質はIPMDHを全く阻害せず,本来の基質IPMとほゞ同等の基質活性を示した。本基質からの反応生成物の詳細な構造解析や ^<19>FーNMPを活用した酵素との相互作用の検討が次の課題である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)