Project/Area Number |
02251205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Ishinomaki Senshu University |
Principal Investigator |
佐々木 芳朗 石巻専修大学, 理工学部, 助教授 (90101154)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀江 忠児 石巻専修大学, 理工学部, 教授 (10005168)
前田 敏輝 石巻専修大学, 理工学部, 助手 (80202307)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 微粒子 / ラマン散乱 / 非調和性 / ゲルマニウム |
Research Abstract |
現在研究が盛んに行われている量子細線では,電子ー格子相互作用に比べて電子の走行時間が十分に短いために格子系の性質はあまり重要ではない。一方、微粒子中への0次元の閉じ込め(Quantum Dot)の場合には、電子、フォノンともに微小領域に閉じ込められるため、この相互作用が重要になってくる。本研究の目的は,数十nm以下のメゾスコピック微粒子におけるフォリン状態を、振動分光の実験により明らかにすることである。まず、超高真空を維持できる容器、真空排気装置および超高純度ガスを用いた高純度メゾスコピック微粒子作製装置を製作した。これにより、得られた粒子を空気中に取り出すことなく分光測定が可能になった。基板上に補集した10nm程度のGe微粒子のラマンスペクトルを測定し、次のような結果を得た。 1.微粒子の集合体は、熱伝導度が小さいため、入射レ-ザ-光によりその温度が容易に上昇する。ラマンスペクトルの解析の結果、数mWの光を0.1×1mm^2程度に絞っても数十〜百K程度の温度上昇は避けられないことが分かった。この温度範囲では、微粒子の構造には変化が見られなかった。 2.600K程度まで加熱すると、微粒子どうしの融合(焼結)によると考えられる結晶化が観測された。 3.600K以下の場合でも、粒子内の原子間結合状態の変化によると考えられるラマンスペクトルの変化が見られた。この際の試料の温度上昇に伴うラマン線のピ-ク位置のシフトは、単結晶における値と誤差の範囲内で一致した。この結果は、微粒子表面原子の振動の非調和性は無視でき、光学フォノンモ-ドの緩和過程は単結晶の場合(TO→2LA)と似ていることを示唆している。
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