結晶表面場における光励起エピタキシ-機構に関する量子化学的研究
Project/Area Number |
02253204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平野 恒夫 東京大学, 工学部, 助教授 (40011027)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 光OMVPE法 / ZnS / 原料ガス / エピタキシャル成長 / MNDO法 / 光照射 / 電子移行 |
Research Abstract |
光OMVPE法によりIIーVI族化合物半導体ZnS等の薄膜成長において,原料ガスが直接分解不可能な波長の光を用い、しかも薄膜結晶のバンドギャップ以上のエネルギ-の光を照射することによって成長速度が大幅に増加する現象が見い出された事に関して、そのエピタキシャル成長の初期過程について研究を行なった。 研究成果をまとめて列挙すると、 1.)気相中の原料ガス及びその主な解離可能種の研究により、ジメチル亜鉛からメチル基が脱離する反応が最も容易に起こることが明らかになった。この反応は、エピタキシャル成長に対する開始反応にもなっていると言える 2.)ZnS薄膜結晶に対するクラスタ-モデルを用いて、エピタキシャル成長の初期過程であるジメチル亜鉛の吸着過程をMNDO法によって計算した。それによると、光照射の効果によりジメチル亜鉛の亜鉛とクラスタ-の表面原子である硫黄とがより強固に結合することが明らかになった。本研究で用いたクラスタ-は閃亜鉛鉱型(001)面に対するものであり、この面へのジメチル亜鉛の吸着の可能性が示されたことにもなる。 3.)クラスタ-表面にジメチル亜鉛が吸着している状態において、光照射がない場合にはメチル基が解離するのに約33kcal/mol必要であるのに対して、光照射がある場合には自発的にメチル基が解離していくことが示めされた。このことにより、光照射によるエピタキシャル成長速度の増加が示され、実験事実との一致を見た。 4)吸着過程においては、クラスタ-からジメチル亜鉛へ電子が移行すること、および吸着状態において光照射により、ジメチル亜鉛からクラスタ-へ電子移行することが認められた。
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Report
(1 results)
Research Products
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