Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Research Abstract |
光励起プロセスの新しい概念である表面光触媒反応による半導体薄膜の成長に関して,成長機構の解明,概念の確立,新構造の作製・物性制御への応用を目的とした研究を行った。得られた結果を下に記す。 1.ZnSe,ZnSおよび混晶ZnSSeの有機金属気相成長(MOVPE)におけるキセノンランプ光照射効果を調べ,特にH_2キャリアガス濃度と成長速度の関係から,光照射が原料のアルキル基の脱離促進に寄与していることが判明した。 2.IIーVI族半導体を対象として行ってきた従来の研究の普遍化を目指し,GaAs成長における光照射効果を調べた。その結果,アルキル基の脱離促進を示唆する炭素濃度の低減,それに基く電気的・光学的特性の向上が見られたほか,低温成長における表面モホロジが向上した。 3.ZnSeのMOVPE成長中の雰囲気の質量分析を行い,下地材料の禁制帯幅より高いエネルギ-の光照射によって,表面での光化学反応により原料のアルキル亜鉛の分解が促進されることがわかった。またこの光化学反応が起こるには300℃以上の熱エネルギ-が必要である。これらの結果を基に,表面に化学吸着したアルキル亜鉛が,光照射により表面に生じたキャリアを受けてアルキル基を脱離させ,その結果表面に表れた亜鉛の活性なボンドと気相中のアルキルセレンとが反応して成膜する,というモデルを提案した。 4.従来の研究では,光照射下で成長したZnSeには多数のドナ性不純物が混入し,またZnSSe混晶の組成制御性に問題があったが,本研究により,高純度アルキル亜鉛の使用,400nmより長波長光のカット,成長条件の最適化により,成長層の高品質化を達成しえた。そのため今後光照射下での高いド-ピング効率を活かした伝導性制御を可能としうる見通しが得られた。
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