Project/Area Number |
02254208
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
神藤 欣一 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 助手 (10114894)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1990: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 金属多層膜 / 金属間化合物 / 強力固体 / 第一原理電子論 / ヤング率 / ス-パ-モジュラス効果 / 弾性定数 |
Research Abstract |
本研究の最終目標はAg/Pd,Cu/Ni系などの金属人工格子に見られる弾性定数の異常増大(又は減少)現象を調節可能なパラメ-タ-を含まない第一原理の固体電子論を用いて理解することにある。しかし本年度は,最終目標への第一段階として自然界の超格子である金属間化合物の機械的性質(弾性定数と格子定数変化の相関)に関する理論的研究を行なった。具体的には25at%(L1_2型,DO_<22>型構造など),12.5at%及び6.25at%濃度のAl基及びNi基規則合金を取り上げ,第一原理のASW法とFLAPW法を用いて平衡格子定数と体積弾性率の計算を行なった。又,ずれ弾性率変化の計算にはMoーRe合金を選んだ。現在,任意パラメ-タ-を含まない第一原理電子論として種々の方法が開発されているが,本研究では信頼性の保障されている上記の二つの方法を採用した。特にNi基合金とAl基合金を中心にして計算を行なった理由は次の点にある。(i)L1_2型構造の金属間化合物Ni_3Alを析出相の形で含むNi基超合金は強度に逆温度依存性を有するために高温構造用材料としてジェットエンジンのタ-ビン動翼材などに用いられている。しかし,母体となるNi金属の弾性定数を最も効果的に増大させる方法はみつかっていない。(ii)Al基合金に関しては軽量高剛性合金として知られるAlーLi合金を取り上げヤング率増大現象に着目した。すなわち,母体よりも弾性的に軟らかいLiを添加することによりAl基合金の弾性定数が増大することの原因を追求した。これらの計算により以下の点が明らかとなった。Al基合金とNi基合金に共通して,母体の金属の格子定数を減少(増大)させる添加元素は合金の弾性定数を増大(減少)させる傾向がある。同時に弾性定数の増大や減少には母体と溶質原子間に生ずる電荷移動の効果が重要である。これらの一般的原理は金属人工格子の弾性定数の異常の問題にも適用可能であると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)