希土類を含む人工格子の電流磁気効果による4f電子の不安定性に関する研究
Project/Area Number |
02254216
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
佐藤 英行 東京都立大学, 理学部, 助教授 (80106608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 功 東京都立大学, 理学部, 助手 (80094267)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | 金属人工格子 / 電流磁気効果 / 希土類 |
Research Abstract |
希土類を含む金属人工格子の育成し、4f電子の不安定性を調べるこ試み、及び興味深い人工格子系の電流磁気効果を測定することにより、伝導電子から見た人工格子故の現象を探る試みが行われた。第一の試みついては、小型のMBE装置での人工格子育成が始まり、X線ディフラクトメ-タ-により比較的積層周期の小さい(〜2nm)試料でも積層性が確認できる試料ができるようになった。まもなく、この新しい環境に置かれた4f電子の不安定性に関する興味深い振舞いを報告できることと期待している。第2の試みについては、東大グル-プのAg/Cr、Fe/Crと京都大学グル-プのAg/Vについて、電流磁気効果の測定がなされ、またミシガン州立大のAl/Ni,Cu/NiについてもHall効果、磁気抵抗効果の測定された。Ag/Cr系のHall係数は、Ag厚を10モノレ-ヤ-(ML)に固定し、Cr厚を変化させたとき、1MLの純銀に近い負の値から3MLで絶対値が約3倍に増加しピ-クとなった後、再び減少するという変わった振舞いを見いだした。Cr界面強磁性の可能性を調べるために、磁場依存性の測定を行ったが、7.5Tまで線形であり、磁気抵抗も通常の小さい正の値となり、その可能性は否定された。更に、AgとCrの膜厚を同じにして、積層周期依存性を測定したところ7MLでの銀に近い値から、30MLまでより負の大きな値になるという結果をえた。これらの結果は、純CrのHall係数が正であることから説明できない。Ag/VではVのモ-メントの界面での増大が報告もあり、Ag/Crとの比較もかねて測定したところ、小さな温度依存性の差を除き、Ag/Cr系に見られる様な異常は無かった。Al/Niについては、界面異方性の見積りが行われ、同時に界面に於ける拡散・化合物生成の高感度判定の可能性を示した。Cu/Ni系で8%に至る磁気抵抗の存在と、磁気抵抗と異常Hall効果の相関が見いだされた。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)