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¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Research Abstract |
我々は,側抑制的結合のある離散的なニュ-ロンの二層モデルの自己組織化を研究した。 一次元のモデルの基礎的な性質として,ニュ-ロンの発火のしきい値,興奮性及び抑制性の結合の強さとそれらの有効範囲,Hebb学習の強さなどのパラメ-タの間の4個の不等式を導いた。これらの不等式は実際にコンピュ-タシミュレ-ションを行なう場合に,パラメ-タ値の選択上の重要な参考基準となった。更に,一様な入力アンサンブルの場合に平衡状態の受容野に対する方程式を導き,連続解とブロック解が得られることを示した。この連続解が連続的な方向選択性に対応する結果である。 ある一つのパタ-ンを他のパタ-ンよりはるかに大きい確率で入力してやると,学習の結果,高確率で入力した特定のパタ-ンおよびそれに近い一群のパタ-ンに対してだけ反応して発火する一群のニュ-ロンが出力層にみられた。この結果は,縦縞の環境で飼育した幼猫に関するBlakemore and Cooperの実験に対応するものである。 二次元の縞状のパタ-ンのアンサンブル入力に対して,平衡状態の受容野を計算し,方位選択をもつニュ-ロンが組織化されることを示した。また最大応答野も求め,ある方向に沿って最大応答角度を図にプロットすると,Hubel and Wieselによって実測された図に直接対応するものが得られることを示した。このことは我々の側抑制のある神経回路網モデルが方位選択性の自己組織化のモデルとして非常に有効であることを示している。 神経回路網の応答を表わす受容野は,一様な入力アンサンブルの場合には,物性理論におけるイジング・スピン系の磁気構造として解釈されることを示した。ここで局所的な磁気能率に比例する局所場が同じ位置のスピンに自己場として働いていることが示された。
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