大脳高次視覚領における視覚・内眼筋運動連関の神経機構についての研究
Project/Area Number |
02255207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
板東 武彦 新潟大学, 医学部, 教授 (50029534)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 大脳 / 焦点調節 / 近見反応 / 大脳外有線領(extrastriate cortex) / 視覚・運動連関 / 内眼筋運動 / 高次視覚領 / 眼球運動 |
Research Abstract |
本研究では焦点調節(内眼筋運動)について、その手掛り刺激から制御パラメ-タを得る過程で、ネコ大脳高次視覚領の1つ(外側上シルビウス領、LSA)が果たす役割について研究を行った。 実験には記録・刺激用チェンバ-を装着したネコを用いた。ケタミンで導入、笑気麻酔下でガラミンで不動化し、眼の屈折力を赤外線オプトメ-タ、瞳孔面積を赤外線瞳孔計を用いた記録した。ニュ-ロン活動の記録・脳内微小刺激にはダングステン電極を用いた。結果は次の通りであった。 (1)自発性の焦点調節に先行して活動するLSAニュ-ロン(焦点調節ニュ-ロン)の60%でその活動と屈折力増加の立上り速度との間に有意な相関が認められた。(2)動物に接近・離反する視覚対象の動きに選択性を持つ視覚ニュ-ロン群の25%は焦点調節ニュ-ロンであった。(3)本研究経費で制作した視覚刺激装置を用い、視標の接近・離反運動に含まれる視覚刺激要素を分離した結果、焦点調節ニュ-ロンは視標の大きさ変化に応答し、両眼視差の変化には応じなかった。前者は焦点調節の動的要素を引き起こす重要な手掛り刺激であり、従ってこれらのLSA焦点調節ニュ-ロン群は焦点調節系における視覚・運動連関の接点の1つであると結論した。(4)脳内微小刺激と解剖学的標識を組合せ、LSA内焦点調節領域から瞳孔領域に到る機能的結合を示した。 以上の結果から、LSAは自己とその周囲空間との相対的位置関係の視覚的分析のみではなく、焦点調節にかかわる視覚情報が運動系へ受け渡される過程、すなわち視覚・内眼筋運動連関に寄与することが示された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)