Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
大脳の働きを理解する為には,素子としての大脳皮質ニュ-ロンの機能を十分に知る必要がある。又,大脳皮質ニュ-ロンは二つに大別できる。一つは,大脳と大脳以外を結ぶもので,主に投射ニュ-ロンで代表される。もう一つは,大脳皮質間の情報の受持に関するもので,連合性ニュ-ロンと交連線ニュ-ロンが含くまれる。ところが,皮質一皮質間ニュ-ロンについては,投射ニュ-ロンに比べてあまり研究が進んでいない。そこで,交連性ニュ-ロンを皮質一皮質間ニュ-ロンのモデルと考えて,その生理学的機能を明らかにして行くことを目的とした。この際,交連性ニュ-ロンである事の同定を逆行性スパイクの有無により判定する必要がある。この為,脳梁に刺激針を挿入し電気刺激を行わなければならない。そこでまず,大脳皮質のどの部位が脳梁の何処を通って対側に線維を送っているかを決める必要が生じたので,WGAーHRPを注入した。70匹のネコでの詳細な結果は班長(津本忠治阪大教授)に提出したので,それに譲る。今回は3a野及び2v野の結果についてだけ述べる。3a野からの通過線維は脳梁膝の直後の部位に認められた。2v野からの通過線維は脳梁前端から約1/3の部位に認められた。これを参考に刺激針を刺入し,2v野からニュ-ロン活動を記録し,前庭神経の電気刺激と脳梁刺激に対する応答について検討を加えた。ネコ15匹から674個のニュ-ロンを記録し89個が脳梁刺激に順行性に応答した。逆行性には数個しか応答しなかった。89個のうち,前庭窓の刺激には8個が応じ,このうち1個のみが前庭膨大部神経の刺激に応じた。脳梁刺激に応じなかったニュ-ロンでは,52個が前庭窓の刺激に応じ,うち,5個が前庭膨大部神経刺激に応答した。以上の事から,2v野は脳梁を介して対側から信号を受け取るがその割合は約13%であった。この割合が他の部位ではどのようであるか将来,検討を続ける所存である。
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