随意眼運動と随意腕運動に伴う小脳半球部のニュ-ロン活動の比較。
Project/Area Number |
02255227
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute for Neuroscience |
Principal Investigator |
真野 範一 東京都神経科学総合研究所, 神経生理学研究部門, 副参事 (40073077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渋谷 英敏 東京都神経科学総合研究所, 神経生理学研究部門, 副参事 (80142157)
伊東 由美 東京都神経科学総合研究所, 神経生理学研究部門, 副参事
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 眼球運動 / 随意運動 / 小脳半球 / 小脳皮質 / プルキンエ細胞 / 無麻酔動物 / 腕運動 / 単一ニュ-ロン発射 |
Research Abstract |
小脳半球部が随意眼運動の制御にいかなる役割を果しているかを解明し、既に発表してある上肢運動での結果との異同を明らかにしようとして、本研究をおこなった。具体的には、無麻酔のサルに視標追跡眼運動を訓練し、サルが訓練された眼運動をおこなっている時に、小脳半球後方部を中心にプルキンエ細胞の単一ニュ-ロン発射と眼球運動を同時に記録した。又、眼球運動と一致して発射頻度を変化する細胞が記録された場所を、実験後に組織学的に再構成した。 以上の実験で得られた結論の一部を原著論文にまとめた。その結論は(1)急速眼球運動をおこなう時に著明に単純スパイクの発射頻度を変化するプルキンエ細胞は、半球部の第I脚の後方部と第II脚の前方部に限局して存在する。(2)前記の部位で記録される細胞の約2/3の細胞は急速眼球運動の開始に20ー100ミリ秒先行して発射頻度を変化する。他の約1/3の細胞は眼球運動とほとんど同時に頻度変化する。(3)発射頻度は急速眼球運動の開始前後にー過性に変化し、眼球の静止位置と持続的発射頻度とは関係ない。(4)一過性頻度変化のパタ-ンは約半数の細胞で単相性、他の半数では二相性であり、ある一つのプルキンエ細胞についてみると眼球運動の方向に関わらず定性的には同じパタ-ンを示す。(5)以上のように急速眼球運動の時に頻度方化するプルキンエ細胞は緩徐な追跡眼球運動の時には変化しない。(6)訓練された課題外の自発性急速眼球運動、視機性眼振の時にも急速相の時に発射頻度を変化する。 以上の結果を腕運動に伴う発射特性と比較すると、(5)の特性が明確に異なる。即ち、腕運動では急速腕運動でも緩徐な腕運動でも全てのプルキンエ細胞が発射頻度を変化したのに、眼球運動では急速眼球運動の時にのみ頻度変化する。このことは、同じ随意運動でも眼球運動と四肢の運動では中枢神経機構が異なることを示す一例である。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)