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¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Research Abstract |
ストロ-マ造血における接着分子の役割は重要と考えられるが分子レベルでの検索はヒトにおいてはまだ殆ど行われていない。ヒト骨髄ストロ-マ細胞株と骨髄系血液細胞株の間には蛍光色素Lucifer Yellow CHの交通が低頻度であるがみられ、電顕的にもデスモゾ-ム様細胞接着装置の存在が確認される。接着関連分子を解析する目的で造血細胞ー骨髄間質細胞間の接着分子を同定することを試みた。ヒト骨髄ストロ-マ細胞株(KM)を免疫源としてストロ-マ細胞膜抗原を認識するモノクロナ-ル抗体を作製した。また標的細胞として用いる骨髄系細胞株(HLー60,KGー1,U937,K562,TFー1,CMK,HEL,BーALL,RPMIー8402,JM,ELMー1)の接着関連分子の存在をFACSで検討した。用いた抗体はcommonβ_1β_2,VLAー4(8F2),VLAー5(2H6),LFAー1(S6F1)のα鎖,LAMー1(TQー1),CD26(1F9),CD44に対するものである。HLー60,CMKー7では検索した分子がすべて発現しており複雑な接着現象が起こっていることが示唆された。K562細胞株はこれらの分子の発現が最も制限されており、commonβ_1,VLA5のα鎖の発現が認められるのみであった。それ故以下の実験では標的細胞としてK562を用いた。作製抗体中1クロ-ンはin vitroのストロ-マ細胞株ー骨髄系血液細胞株(K562)(SーH)の接着をきわめて強く増強した。この抗体の認識抗原はSDSーPAGE後のwestern blottingで分子量約13万5千の膜蛋白であり、この抗体のFabを調製後、SーHの混合培養系に加えるとその結合を抗体の容量依存性に阻止した。この抗体の認識する分子は血液細胞,組織間質,平滑筋,血管内皮,膵導管上皮,腎集合管上皮,培養線維芽細胞,骨髄間質細胞に広く分布しCD44の分布に似るがT,Bリンパ球,顆粒球に発現が低く,上皮における分布や抗原の分子量が異なる。また、K562、TFー1細胞にTPAを処置すると発現量がK562では2倍程度に増強したが、TFー1では逆に1/2程度に減弱した。ILー1ではいずれの細胞株も変化がなかった。
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