骨髄間質細胞による造血幹細胞の分化,増殖の統御機構ーウイルスベクタ-を用いた遺伝子導入法の造血系への応用ー
Project/Area Number |
02256208
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
外山 圭助 東京医科大学, 医学部, 教授 (00051293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 兌貞 東京医科大学, 医学部, 教授 (70074507)
相沢 信 東京医科大学, 医学部, 助手 (30202443)
中野 優 東京医科大学, 医学部, 講師 (70192226)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 骨髄間質細胞 / 造血幹細胞 / 細胞間相互作用 / アデノウイルス / SV40 T抗原 / 造血微小環境 / サイトカイン / 細胞分化 |
Research Abstract |
骨髄間質細胞は,造血幹細胞の分化,増殖を統御する骨髄造血微小環境を構成する重要な一要素と考えられている。本研究はヒト骨髄間質細胞の役割を検討する目的で,SV40 Tー抗原組み込みアデノウイルスベクタ-を作成し間質細胞をimmortalizeすることにより種々の安定した細胞株を得ると共に,これらの造血幹細胞に及ぼす影響の検討を行った。ウイルスベクタ-としてSV40 Tー抗原(oriー)及びSVー40 Tー抗原温度感受性変異株(ts)遺伝子組み込みアデノウイルスを作製し骨髄間質細胞に対して感染法あるいは電気ショック法を用いて遺伝子導入を行った。oriー及びtsを用いた導入実験で48時間後の感染効率は感染法では40ー60%,電気ショック法では70ー80%であり,5ー10%の効率であった従来のプラスミドDNAによる導入に比較して有効であった。また20ー40代の系代培養後の株化効率は,感染法及び電気ショック法共に1ー3%の株化効率が得られ,これもプラスミドDNAを用いた場合に比較して約100ー500倍の効率であった。さらに獲得した細胞株を検討した結果,線維芽様細胞,マクロファ-ジ様細胞及び血管内皮細胞と様々な性質を有する細胞株が効率よく樹立されることが確認され,これらは第38回日本ウイルス学会で報告した。これら細胞株の造血細胞に及ぼす影響として各細胞の産生するサイトカインを検討した結果,一部の細胞培養上清中にGMーCSF,GーCSF,ILー6等が検出された。さらに一部細胞株でこれらサイトカインに加えILー3の産生が認められ造血微小環境におけるILー3の役割を検討する上での重要なモデルとして有用と考えられる。これらサイトカインは分子レベルでもmRNAの発現が確認され現在発表準備中である。現在さらにこれら細胞株を用いてin vitroにおけるヒト造血現象再現を検討中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)