心筋イオンチャンネルの動的解析を目的とした親規分子ツ-ル群の開発
Project/Area Number |
02257201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中山 仁 北海道大学, 薬学部, 助手 (70088863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉井 清哲 北海道大学, 薬学部, 助手 (30125364)
金岡 祐一 北海道大学, 薬学部, 教授 (50001029)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | Ca誘発性Ca放出チャンネル / 単クロ-ン抗体 / IP_3誘発性Ca放出チャンネル / リン酸化 / 抗ペプチド抗体 |
Research Abstract |
近年の生理・薬理学研究や分子生物学的研究の進歩に伴い,心筋興奮・伝導の機構やそれを担うと見なされる分子の姿が次第に明らかになりつつあるが,その成果を有機的に結びつけ,致死性不整脈の基本的理解とその予知、発見等に役立ち得る分子ツ-ルと手段を確立してゆくことが本研究の目的である。本年度は以下に述べる成果が得られた。 <1.Ca誘発性Ca放出チャンネルに対する単クロ-ン抗体の作製とその応用>___ー:筋小胞体は代表的な細胞内Caプ-ルであり,その膜上にある上記チャンネルは細胞内Ca動員に主要な役割を果している。ブタ心室筋より調製したチャンネル標品を抗原として常法通り単クロ-ン抗体の作製を行い,心筋の同チャンネル分子と特異的に反応するクロ-ンを一つ得た。心疾患の中でも原因の特定されていない特発性心筋症と心筋細胞内Ca過負荷の因果関係を探るべく,この単クロ-ン抗体と〔^3H〕リアノジンによるラジオレセプタ-アッセイ法により,心筋症モデルハムスタ-の病態進行と本チャンネル分子の動的変化を追跡したところ,本チャンネル分子の変化は心筋症の成因というよりはむしろ,病態進行による結果と考えるのが安当であるとの結果がはじめて得られた。 <2.IP_3誘発性Ca放出チャンネルのリン酸化部位に対する特異的抗体の作成と応用>___ー:細胞内小胞体からのCa放出を担うのはIP_3誘発性チャンネルであり,小脳の同チャンネルの一次構造から予想されるリン酸化部位2箇所に対応するペプチドを合成し,このペプチドに対する抗体を作製した。予想通りこれら2種の抗体は特異的に本チャンネル分子とも反応した。また蛋白質リン酸化酵素にリン酸化反応を阻害する活性も有していた。これら抗体の反応性を心筋において比較検討したところ,一箇所のリン酸化部位の一次構造は小脳のそれとは異っていることを示唆する興味ある結果が得られた。今後の詳しい解析が楽しみとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)