Research Abstract |
21のグル-プにより,多様な研究系において解析が行なわれた。研究は2つの様式に大別される。 1)研究の主体は,フィブロイン,セリシン,インタ-フェロン,クリスタリン,免疫グロブリン,ヒストンなど各種細胞の特異性を代表するタ-ゲット遺伝子群についての解析からはじめ,その転写制御に関わるcisーacting elementsの同定,<trans>___ーーacting factorsの同定へと進み,ついで,factors自体の性質を精製およびクロ-ニングの技法によって明らかにして行くものである。すでに,POUーM1,IRFー1,IRFー2,HBPー1a,HBPー1b,δEF1,PEBP2,PEBP3など多くの因子のcDNAが得られ,構造が明らかとなり,その機能についての解析が精力的にすすめられている。 2)ショウジョウバエのホメオボックス遺伝子についての研究から,これら遺伝子に由来する産物は転写制御因子であることが示されている。この知見にもとづいて,ショウジョウバエ,カイコ,ニワトリ,マウスなどのホメオボックス遺伝子群とその産物についての解析が行なわれた。当領域で扱かわれている因子群も,FTZーF1,BarH1,BarH2,BmFTZーF1,Choxー1.0,Choxー1.4,Hox1.1,Hox3.1,Hox3.5など枚挙にいとまもない程である。一部では,これら因子の支配下に制御されるタ-ゲット遺伝子群の探索の試みが開始された。 以上のように,制御の下位から上位へ,また上位から下位への研究の展開によって,制御のネットワ-クが除々に明らかになりつつあり,この面から,細胞特異性の決定と実現についての分子的基盤を与えていくことができるものと思われる。
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