神経系培養細胞の分化、機能発現の制御に関わるガングリオシドの役割
Project/Area Number |
02259212
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
玉井 洋一 北里大学, 医学部, 教授 (80050441)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松谷 伸二 北里大学, 看護学部, 助手 (60219433)
山本 昇 北里大学, 看護学部, 教授 (10050543)
小嶋 久子 北里大学, 医学部, 講師 (90118810)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | ガングリオシド / PC12細胞 / ras遺伝子 / 細胞分化 / 神経機能 / シアル酸転移酵素 / フコ-ス転移酵素 |
Research Abstract |
本研究は神経細胞の分化、機能発現に果たすガングリオシドの役割をPC12細胞を用いて解明することが目的である。 我々は先に、PC12細胞にdexamethazone(DX)誘導性の活性化ras遺伝子を導入したtransfectant MR31,MR41,MR32細胞株を確立した。ここではこれらMR細胞とPC12細胞とについてガングリオシドの動態を神経分化と関連させて検索した。MR細胞ガングリオシド量はPC12の1.5倍であった。それぞれをNGFあるいはDXで処理し完全分化させると、NGFーPC12,DXーMRのいずれも分化前のPC12の2.2倍に達した。ガングリオシド量の変化は神経突起伸長(形態変化)やアセチルコリンエステラ-ゼ活性、カテコルアミン増加(生化学的変化)と相関していた。更に、各細胞株のガングリオシド組成が分化の前後で著しく異なることが見いだされた。即ち、TLC上、GD1bとGT1bの近傍に移動するポリシアリガングリオシドが分化に伴って、減少し、GD3近傍の分子種が著増した。また、シアル酸転移酵素活性がPC12<MR31<NGFーPC12,DXーMR31の順で増加すること、すでに未処理のMR細胞株でも同じ傾向が観察された。これらの知見からPC12の神経細胞への分化とガングリオシドの代謝、動態が密接に相関していることが明らかになった。GD3近傍の未知ガングリオシドは構成としてGlc,Gal,NeuAcの他にFucを持つことがわかった。これはPC12の機能分化の制御にシアル酸転移酵素とともにフコ-ス転移酵素も関与することを示唆する。現在、各種糖鎖に対するモノクロ-ナル抗体を用いて未知ガングリオシドを同定中であり、更に、糖転移酵素活性の解析から神経系細胞の分化とガングリオシド発現との関係を明らかにする実験を計画している。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)