イネ種子におけるアミロ-ス蓄積の遺伝的制御に関する研究
Project/Area Number |
02261218
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
平野 博之 国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系, 助手 (00192716)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 芳雄 国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系, 助教授 (70109528)
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Project Period (FY) |
1990 – 1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | Oryza sativa / 組織特異性 / 遺伝子発現 / <wx>___ー座 / アミロ-ス合成 / 量的制御 |
Research Abstract |
本研究は、イネ種子中におけるアミロ-スの合成・蓄積の制御機構を、アミロ-ス合成を支配する<wx>___ー座の遺伝子発現の面から解明することを目的としている。 種子中のアミロ-スはイネの系統により遺伝的に支配されている。まず、アミロ-ス含量の異る二つの系統のイネ(日本型およびインド型)より各々の<wx>___ー座の遺伝子をクロ-ン化した。遺伝子の構造解析により次のことが明らかとなった。1.<wx>___ー座はイネゲノム中に単一コピ-として存在する。2。<wx>___ー座は、ADPーglucose starch glycosyl transferaseをコ-ドしている。3。<wx>___ー座遺伝子産物(Wxタンパク質:WXP)はアミロプラスト内に輸送されてアミロ-スを合成・蓄積する、この輸送に必要なtransit peptideは77個のアミノ酸からなり、葉緑体へ輸送されるタンパク質の同ペプチドと共通する性質をもつ。 アミロ-ス含量の高いインド型のイネでは日本型のイネに比べて,Wxpが約8倍多く生産されていること、,この発現量の差は転写レベルで調節されていることが明らかとなった。したがって、<wx>___ー座遺伝子の発現量を調節すること,すなわち,シス因子やプロモ-タ-の強さを変更することによって,種子に蓄積するアミロ-スの量を自在に変化させることが可能となると考えられる。 種子登熟過程におけるwx座の遺伝子発現の量的変動を調べた。<wx>___ー座の転写産物は受粉後13ー18日目で最も多く存在し、23日目以降ではほとんど検出されなかった。したがって、wx座遺伝子は種子の成育に応じて時期特異的に制御されていると考えられる。イネ種子の完熟には約40日を要するが、Wxpは7日目から20日目頃までにほぼ直線的に増加した。これは転写産物が大量に存在する期間に相当するとともに,デンプン画分が直線的に蓄積する期間と一致した。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)