DNA鎖自己切断能をもつヌクレオシド系自殺基質の設計
Project/Area Number |
02262201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松田 彰 北海道大学, 薬学部, 助教授 (90157313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南川 典昭 北海道大学, 薬学部, 教務職員 (40209820)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥7,000,000 (Direct Cost: ¥7,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥7,000,000 (Direct Cost: ¥7,000,000)
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Keywords | 2'ーシアノー2'ーデオキシー1ーβーDーアラビノフラノ / シルシトシン(CNDAC) / 制癌作用 / ヌクレオシド / 化学合成 |
Research Abstract |
従来の制癌性ヌクレオシドや核酸塩基は主に代謝拮抗剤として分類され、6ーメルカプトプリン、アラビノシルシトシンや5ーフルオロウラシル等が知られている。これらについては膨大な基礎・臨床研究の蓄積があるがこれらの効果には限界があることも事実である。そこでこれらの知見をもとに代合物に新しく化学反応性を付与し、これらがDNAに組み込まれた時に選扶的にそのヌクレオチド鎖伸長反応の阻害又は鎖の自己切断をもたらすような新しいヌクレオシド誘導体を設計・合成した。 ピリミジンヌクレオシドの2'ー位にオキシム又は置換オシシム基を導入する方法を確立した。更に2'ー位“上向き"に電子吸引基として、シアノ基、アセチレン基、イソシアノ基を選扶的に導入する方法を確立した。 上記の一連の化合物のin vitroおよびin vivoの制癌性の検定を依託した。その結果の特徴をまとめると (1) 2'ー位にオキシム又は置換オキシム基を導入してもDMDC(2'ーデオキシー2'ーメチリデンチジン)のような強い活性は見られないが、アセトキシム体に弱い活性が認められた。(2) 2'ー位“上向き"に置換基を導入した場合、アセチレン体には全く制癌活性は認められないが、シアノ体(CNDAC,2'ーCシアノー2'ーデオキシー1ーβーDーアラビノフラノシルシトシン)に強力な制癌活性が認められた。 CNDACは、マウス由来の癌細胞のみならず、ヒト固型癌由来の種々の細胞に対してアラビノシルシトシンに比較出来ないほどの増殖抑制活性を示した。マウス白血病モデル(P388)でもT/C値が>600となり、検定に用いた6匹の担癌マウスのうち5匹が60日以上生存するという結果を得た。今後CNDACがDNAにとり込まれ鎖切断等の反応性を発揮し、それが制癌性発現に寄与しているかどうかの検討が重要な課題である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)