Project/Area Number |
02262212
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鶴尾 隆 東京大学, 応用微生物研究所, 教授 (00012667)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 芳一 (財)癌研究会, 癌化学療法センター, 研究員 (10179161)
八巻 寛 東京大学, 応用微生物研究所, 助手 (30013329)
内藤 幹彦 東京大学, 応用微生物研究所, 助手 (00198011)
|
Project Period (FY) |
1990
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
|
Budget Amount *help |
¥25,000,000 (Direct Cost: ¥25,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥25,000,000 (Direct Cost: ¥25,000,000)
|
Keywords | Pー糖タンパク / 抗癌剤耐性 / ビンクリスチン / アドリアマイシン / モノクロ-ナル抗体 / 耐性タンパク / 耐性遺伝子 / カルシウム拮抗薬 |
Research Abstract |
本年度は多剤耐性あるいは先天的耐性において中心的機能を持つPー糖タンパクの機能、Pー糖タンパクの発現について研究を行なった。また耐性癌の治療、抗癌剤の新しい標的、癌転移の生化学的機作について研究を行なった。 これらの研究に対し、以下の主要な成果を得た。 1.Pー糖タンパクに対する抗体を用いた研究で、Pー糖タンパクは脳毛細血管内皮の管腔側に発現していることが見出された。Pー糖タンパクが抗癌剤の排出のポンプ機能をもつことを考えると、Pー糖タンパクは脳血液関門の実体の一部であることが考えられ、今後も鋭意研究する必要がある。 2.Pー糖タンパクの対する抗体MRKー16は動物実験において耐性癌に対し治療効果をもつ。抗体を臨床応用すべく、遺伝子工学の技法を用いマウスーヒトのキメラ抗体に変換することに成功した。抗体あるいは遺伝子を用いた診断ではPー糖タンパクは新たに乳癌、胃癌、大腸結腸癌に発現していることが見出された。治療上、抗体は骨髄移植の際のin vitroでのパ-ジングに、またヒト単球が関与する免疫学的な治療に有効であることが示された。耐性細胞には新たに300kDaの耐性に関与するタンパクが見出されたが、その機能は不明であり、今後の研究課題である。 3.抗癌剤の新しい標的としてトポイソメラ-ゼが見出された。このうちカンプトテシンの標的であるトポイソメラ-ゼIは耐性細胞ではその発現が低下していた。 4.癌転移のメカニズムの一つとして癌細胞が誘導する血小板凝集反応がある。癌細胞の血小板凝集因子として分子量41kDaのタンパクが同定された。この因子はトロンビン非依存性の新しい凝集因子であり今後の解析がまたれる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(8 results)