Project/Area Number |
02262218
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
神奈木 玲児 京都大学, 医学部, 講師 (80161389)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥12,000,000 (Direct Cost: ¥12,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥12,000,000 (Direct Cost: ¥12,000,000)
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Keywords | 糖鎖抗原 / SSEAー1 / CA19ー9 / 抗イディオタイプ抗体 / 膵癌 / 肺癌 |
Research Abstract |
本研究の目的は、癌化にともなう細胞表層の糖鎖抗原の変化とその生理的意義を解明し、ヒト癌の診断と治療への応用の基礎とすることである。(1)癌細胞の糖鎖抗原と新しいモノクロ-ナル抗体の作製:本年度はシアル酸含有糖鎖に特異的な数種のモノクロ-ナル抗体を樹立した。ことに、GalNAcB1→4GD_<1a>に対する抗体や、Nーアセチル型シアル酸をもつGM_2とNーグリコリル型シアル酸を読みわける抗体などを樹立した。また、シアル酸のかわりに硫酸基を有するスル木糖鎖もまた癌細胞に蓄積していることが判明したので、これに対しても5種のモノクロ-ナル抗体を作製した。(2)分化抗原としての糖鎖抗原の研究:消化器における1型基幹グル-プの糖鎖抗原の発現を検索し、2→3シアリルLe^a抗原と2→6シアリルLe^a抗原とは分化抗原としての生理的意義を有しており、前者が比較的未熟な形質をもつ細胞に、また後者が分化成熟した形質をもつ細胞に局在する。消化器癌細胞では2→3シアリルLe^a抗原が強く発現されており、非癌消化器組織では2→6シアリルLe^a抗原が強く発現されていることを明らかにした。また、肺における2型基幹グル-プの糖鎖抗原の発現を検索し、ヒト胎児の肺の器官形成において、気管支芽細胞や細気管支芽細胞が分化成熟して形成される気管支および細気管支の成熟上皮細胞で、SSEAー1抗原が消退した際にちょうどそれと入れ換わるようにI抗原が出現するのを認めた。また未熟な肺胞上皮細胞(終末芽細胞)が分化してシアリルSSEAー1抗原が消退すると、それと入れ換わるようにシアリルI抗原が出現するのを認めた。以上の結果から、SSEAー1抗原が未熟細胞に存在するのに対応して、I抗原は、成熟型の抗原としての生理的意義を有すると考えられた。
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