ヒトパピロ-マウイルスの遺伝子機能発現と子宮頚癌の発生機構
Project/Area Number |
02262220
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
羽倉 明 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (00029779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 正樹 大阪大学, 医学部, 助手 (10127186)
井上 寛一 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (30176440)
湯通堂 満寿男 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (70135747)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥15,000,000 (Direct Cost: ¥15,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥15,000,000 (Direct Cost: ¥15,000,000)
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Keywords | ヒトパピロ-マウイルス / がん遺伝子 / トランスジェニックマウス / 子宮頚癌 / トランスフォ-メ-ション |
Research Abstract |
ヒトパピロ-マウィルス(HPV)は現在すでに60種類以上分離されている。我々は子宮頚癌発生に対するHPVの関与を明らかにすべく、同癌の発生に関係の深い16型を用い、同ウイルスのがん遺伝子機能、及び遺伝子発現後、がん化に至る過程での宿主側の要因についてin vitro,in vivoの両面より研究を行っている。本年度に得られた主な成果は以下の通りである。(I)、培養細胞を用いたHPV遺伝子機能の解析:(a)HPV16型によるtransfor mation抑制遺伝子;われわれはすでにラット初代培養細胞中に16型E6/E7遺伝子によるtransformationを抑制する因子が存在することを明らかにしているが、今回はこの抑制過程がE7遺伝子の翻訳以後であることを確認するとともに、上記ラット細胞以外に、ヒト細胞(胎児培養細胞)中にも同因子が存在することを明らかにした。(b)HPV16型E6/E7遺伝子産物の細胞側標的因子;HPV16型E6/E7遺伝子によるtransーformationに関与する細胞側因子を明らかにすべく、ラット株細胞を用いて上記遺伝子によるtransformationに非感受性を示す細胞変異株の分離を試み、3株の変異株の分離に成功し、その性状解析を行った。(c)HPVのがん遺伝子機能とp53蛋白との関係;p53蛋白はがん抑制遺伝子として知られており、SV_<40>など、DNA型がんウイルスによるtransformationとの関係が注目されている。我々は16型のE6E7によるtransformationに、p53の発現量や安定性の増加、及び活性化mutationは必ずしも必要でないことを示す結果を得た。 (II)、in vivoにおける遺伝子の解析:16型E6/E7遺伝子を持つtransgenicmouseの作成と解析;現在までに3系統のtransgenic mouseの作成に成功し、そのうち特に2系統に睾丸腫瘍(精細胞腫)や唾液腺腫瘍が高頻度に発生することを認め、その発生機構の解析を行いつゝある。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)