Project/Area Number |
02262227
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
阪口 薫雄 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (70192086)
|
Project Period (FY) |
1990 – 1992
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
|
Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
|
Keywords | cDNAクロ-ニング / Ca^<2+>動員 / シグナル伝達 / B細胞レセプタ- |
Research Abstract |
B細胞の抗原特異的活性化に重要な働きをしている膜表面lgMレセプタ-のトランスメンブランシグナリングがどのようなメカニズムで行われているのかを理解する目的で、lgMレセプタ-複合体抗造を解析し、その機能を研究している。 本年度実績として1.我々のクロ-ニングしたB細胞特異的mbー1遺伝子産物が34KDaの膜型糖タンパンであり、このタンパンがlgMレセプタ-と特異的に結合していることを証明した。2.このmbー1の染色体遺伝子を解析しウォ-キングを行った結果、mbー1関連遺伝子がもう一つ存在する可能性を示唆した。3.このMBー1分子に対する特異的モノクロ-ナル抗体を作製し、pre Bリンホ-マ細胞で、この分子がシグナル伝達分子として機能していることを初めて示した。 ことに3.の機能解析で、モノクロ-ナル抗MBー1抗体によるpre Bリンホ-マ細胞での細胞内Ca^<2+>の動員をFuraー2を用いて調べたところ、WEHIー231やBAL17の成熟B細胞では抗lgM抗体でCa^<2+>動員が誘導されるが、抗MBー1抗体では誘導されなかった。しかし、pre Bリンホ-マ細胞では逆に抗MBー1のみでCa^<2+>動員が誘導され、この分子がpre B細胞ステ-ジでなんらかのシグナル伝達を行っていることが明らかにされた。また、モノクロ-ナル抗体によってpre Bリンホ-マ細胞の分裂、増殖に及ぼす抗体の作用を調べたところ、抗MBー1抗体はpre Bリンホ-マ細胞の分裂、増殖を抑制し、MBー1分子がpre B細胞増殖に関与するシグナル伝達と密接に関係していることが示唆された。 lgMレセプタ-結合タンパクとして解析されているMBー1分子がB系リンパ腫細胞におけるシグナル伝達分子として機能することが初めて示された。更に、この分子がlgMレセプタ-を発現していないpre B細胞でシグナルを伝達していることが明らかになり、これまでシグナル伝達に関する分子が明らかにされていなかった未熟B細胞での役割が注目される。
|