Project/Area Number |
02263215
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
前川 利男 理化学研究所, バイオデザイン研究グループ, 研究員 (90201764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 俊輔 理化学研究所, 分子遺伝学研究室, 主任研究員 (00124785)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 転写因子 / DNA結合蛋白質 |
Research Abstract |
Myb蛋白質は塩基配列特異的にDNAに結合する転写活性化因子であるが、MybとDNAの相互作用の分子機構は全く不明であった。MybのDNA結合ドメインにはトリプトファン残基が周期的に並んでおり、この特徴はetsがん遺伝子産物にも見られることから、DNA結合に重要な役割を果たしているのではないかと推定されている。そこでmyb蛋白質のDNA結合ドメインに一連の変異を導入し、変異蛋白質のDNA結合能を解析すると共に、mybDNA結合ドメインのみを含む蛋白質を大腸菌で大量発現させ精製し、その構造をマンスペクトルなどの分光学的方法により解析した。その結果、周期的に位置するトリプトファン残基が蛋白質内部で疎水性コアを形成し、全体の構造を保つのに重要な役割を果たしていることを明らかにした。そしてこの“トリプトファンクラスタ-構造"がmybやetsを含む一群のDNA結合蛋白質に共通の特徴であろうと提唱した。また私達はこれまでにNFーκB部位に結合する転写因子HIVーEP1のcDNAをクロ-ニングし、メタルフィンガ-構造を有することを見出した。そこで今年度はT細胞で特に発現の高い関連遺伝子のcDNAクロ-ニングを試み、HIVーEP2、HIVーEP3の2つのcDNAを得た。HIVーEP2は211kDaの蛋白質でそのmRNAはT細胞においてPHA、PMA刺激で著しく上昇することが示され、細胞増殖に重要な役割を果たしていることが示された。HIVーEP1とHIVーEP2の構造を比較するとホモロジ-の高い領域が3ケ所見出された。領域Iは核内移行シグナルとSer/Thrに富む配列を有し、領域IIはメタルフィンガ-構造を持つDNA結合ドメインである。また領域IIIは酸性アミノ酸に富み、転写活性化機能を持つことが示唆された。これらの結果により、NFーκB部位に結合する転写因子の構造と機能を解析するための基礎が確立された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)