Project/Area Number |
02451055
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
考古学(含先史学)
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
木下 正史 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (70000487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西口 寿生 奈良国立文化財研究所, 飛鳥藤原宮跡発掘調査部, 主任研究官 (80000511)
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Project Period (FY) |
1990 – 1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 古代上水道 / 古代下水道 / 揚水技術 / 水利工学 / 都城制 / 木樋暗渠 / 土管暗渠 / 石組暗渠 / 古代水道 / 古代下水施設 |
Research Abstract |
まず、上水施設の起源について研究を進展させた。その成果としては、各地の木樋資料を集成し,少なくとも畿内では纏向遺跡の千世紀前半をさらに遡って、すでに弥生後期にその利用が始まっていることを明らかにしたことがある。その木樋は一木の刳り抜き式で,古墳時代以降の組合せ式とは構造を異にし,その発展の方向を予想することが出来た。また,弥生時代の事例は水田への用水の給水用として利用したものであり、古墳時代における水道施設としての利用の背景に,弥生時代以来の水利用の経験の蓄積があったことを知ることが出来た。飛鳥地域の水道施設については,従来の知見を収集・分析し,また今年度の石神遺跡の発掘成果を調査した。その結果,飛鳥における石組暗渠,土管,木樋暗渠等を用いる水道施設は7世紀前半に,飛鳥のいくつかの施設で個々別々に始まっていることを明らかにした。そして斉明天皇の時代に飛鳥の都づくりが大規模・本格化するとともに広範囲にわたる組織的な上水道網が整備されるに至り,この時代が水利用の上でも一つの画期であることを明らかにした。藤原宮,平城宮,平安宮等においてはその立地が飛鳥ほど高燥でないことと関連して,飛鳥のように大規模な水道施設を整えることなく、むしろ中心は井戸利用であったことを明らかにした。都市において水道施設を本格的に整えるのは江戸においてである。竹樋水道管の利用例について小田原城ほか各地の城下町発見例について集成し,それが広く普及していた様相を明らかにした。中国の関連資料についても集成し,木樋,竹樋,土管の通水管利用は古代日本を基本的に共通することを明らかにした。樋内の通水を塞き止める技術,サイフォン利用の技術,揚水技術などの日本への影響についても考察,検討を進めた。排水路,運河に関す研究成果について,その一部を「明日香風」39・40で簡単に公にした。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)