新規な人工酵素としての抗体触媒を用いた不斉合成反応に関する研究
Project/Area Number |
02453096
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
大久保 捷敏 熊本大学, 工学部, 教授 (00040402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐川 尚 熊本大学, 工学部, 助手 (20225832)
石田 斉 熊本大学, 工学部, 講師 (30203003)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 1990: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
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Keywords | Catalytic Antibody / 抗体触媒 / 人工酵素 / モノクロ-ナル抗体 / 遷移状態類似体 / 分子設計 |
Research Abstract |
化学反応を常温常圧で著しく加速し、かつ高立体選択的に進行させる人工酵素へのアプロ-チとして、抗体に様々な触媒機能をもたせて天然酵素が触媒しない化学反応を効率よく進行させる抗体触媒の開発を第1の目的とする。そのため、(1)有機合成上有用な反応、とくに不斉合成反応の遷移状態と類以の構造を有する遷移状態類似体(TSA)を設計・合成し、そのTSAをハプテンとした抗体を作成する。(2)触媒活性部位と抗原分子を結合したアンカ-型触媒を合成し、抗体と溶液中混合することによって抗原ー抗体反応を利用して抗体内部に効率よく触媒部位を導入することにより、抗体のもつ不斉場を利用した抗体ハイブリッド触媒を作成する。また、抗体触媒の触媒作用に関する基礎的知見を得る目的から、(3)電荷の異なるハプテンを系統的に合成して、その抗体触媒の反応性と比較検討する。まず、(1)として2ーアルケニルオキシ酢酸の[2.3]Wittig転移反応を触媒する抗体触媒を得るため、3.5ージメチルテトラヒドロフランー2ーカルボン酸を設計・合成した。同化合物をハプテンとしたモノクロ-ナル抗体は現在作成中であるが、ポリクロ-ナル抗体は既に得られ、光学収率については収量が低く確認できていないものの、反応の進行が確認された。次に、(2)の結果として、触媒部位にマンガンポルフィリン錯体あるいはヒスチジン誘導体を有するアンカ-型触媒を合成し、それぞれを触媒として、抗体存在下、トリプトファン誘導体の二酸素添加酵素モデル反応およびアミノ酸エステル加水分解反応を行なったところ、反応はいずれも立体選択的に進行し、抗体ハイブリッド触媒の有用性が示された。また、(3)としてエステル加水分解反応のTSAが四面体構造を有していることから、リン酸エステル(アニオン性)、硫酸エステル(中性)、アンモニウム塩誘導体(カチオン性)を合成し、現在これらをハプテンとする抗体を作成中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)