Project/Area Number |
02454251
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | The University of Tokyo (1992) Hokkaido University (1990-1991) |
Principal Investigator |
安藤 譲二 東京大学, 医学部(医), 客員助教授 (20159528)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神谷 暸 東京大学, 医学部(医), 教授 (50014072)
山越 憲一 北海道大学, 応用電気研究所, 助教授 (40014310)
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Project Period (FY) |
1990 – 1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1991: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1990: ¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
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Keywords | 血管内皮細胞 / 加齢変化 / 内皮由来血管拡張因子 / 細胞内Ca^<++> / カルシウムイオン / 血行力学因子 / 老化 |
Research Abstract |
本年度は主として血管内皮細胞の刺激・応答反応における加齢の影響について検討した。具体的には年齢(累積細胞分裂回数)の異なる培養牛胎児大動脈内皮細胞をATP、アセチルコリン(ACh)、ブラディキニン(BKN)、などのアゴニスト及びカルシウム・イオノフォア(A23187)で刺激し細胞内Ca^<++>濃度反応とそれに引き続く内皮由来血管平滑筋弛緩因子(EDRF)の放出反応を検索した。細胞内Ca^<++>濃度はCa^<++>蛍光指示薬のFura-2を細胞に取り込ませ、その蛍光変化を蛍光測光顕微鏡で測定した。また内皮の産生するEDRFについてはヒーズ上に培養しカラムに詰めた内皮細胞を刺激したときのeffuluentを兎大動脈平滑筋切片にかけ、その張力変化から、またeffuluentを培養牛胎児大動脈平滑筋細胞にかけたときの細胞内cGMPの変化から評価した。内皮にATPを作用させると細胞内Ca^<++>濃度はATP濃度依存性に上昇し、血管切片の弛緩と平滑筋細胞内cGMPの上昇即ちEDRFの放出の増加が観られた。BKNでは初回刺激で明らかなCa^<++>上昇とEDRF放出が起こったが、その後の刺激ではそれ以上の反応は出現せず脱感作現象が観られた。ACh刺激ではCa^<++>変化、EDRF放出が共に生じなかった。またA23187刺激ではATPと同様に濃度依存性に細胞内Ca^<++>の上昇とEDRF放出が認められた。これらの刺激-EDRF放出反応は加齢細胞では若年細胞に比較して明らかに低下していた。この加齢細胞に観られた反応性の低下がATPに対するpurinoceptorあるいはBKN receptorの数や機能が低下したためなのか、Ca^<++>動員など細胞内情報伝達系に問題があるのか、あるいはEDRF産生系、例えばNO合成酸素の活性や量に変化が起きているのかは現在の所不明である。今回得られた結果は血管内皮細胞の血管トーヌスの調節機能が加齢により低下する可能性を示唆している。今回観察された事実と動脈硬化症を含む各種血管病との因果関係は今後検討すべき重要な問題と思われた。
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