Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥6,500,000)
Fiscal Year 1992: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1991: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1990: ¥5,100,000 (Direct Cost: ¥5,100,000)
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Research Abstract |
循環の主目的は毛細血管壁を介して組織に酸素その他の栄養を供給し代謝産物を除去することにある.近年のファーマコキネティックスの発展により脈管の内外での物質移動過程がようやく注目を浴びるようになってきた.脈管内物質の移動は,基本的には水分透過係数や拡散係数などの物理的な性質により規定されるが,ショックなどのストレスが加わると血流再分布,局所の酸素濃度低下,水素イオン上昇,その他の血管作動性活性物質により変動を受ける.従来の研究ではこれらの現像を顕微鏡標本で捕らえてきたが,水分透過係数や拡散係数などの生理的パラメータを定量的に測定し、変動の範囲を明らかにした研究は見あたらない.これらの諸条件での水分分画,水分透過性,物質拡散速度,血管床面積,潅流速度などの独立変数を明らかにされなければならない. 一昨年および昨年度では,主として測定装置の開発にあたった.血液の電解質濃度は変動が非常に少なく恒常性を保つが,尿での電解質濃度は相当大きく変動する.これはの水分濃縮力による変化もあるが,積極的に生体内恒常性を保つために働いているためである. 我々は腎臓における濃縮能をマンニトールでブロックし,経時的に尿量や尿組成を計測する装置を開発した.本年度では血液マンニトール濃度を高速液体クロマトグラフィーにて測定する方法を考案し,それを用いて血清および尿中のマンニトール濃度を測定してきた.マンニトールは生体に安全に投与でき医薬品として利用されているが.決して細胞内に入ることは無く,腎臓の排泄分を補正すれば細胞外液量の計測トレーサとしての利用が期待できる.またスクロースやソルビトールなどの酵素活性電極を利用して,これらの糖投与による血清濃度変化をICGとの相関を取りながら測定することに成功した.本研究で開発される各種糖の連続測定が臨床に応用されるようになれば,毛細血管床の拡散係数の測定や細胞外液量の計測が可能となると強力な術中モニターとしての発展が期待される.
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