Budget Amount *help |
¥7,000,000 (Direct Cost: ¥7,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1990: ¥4,800,000 (Direct Cost: ¥4,800,000)
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Research Abstract |
(A)ブタ顆粒膜細胞の増殖分化の調節蛋白のクロ-ニングは各ステップで十分な成果が得られず成功しなかった。そこで卵巣での黄体化(分化)のひきがねの一つとして重要なプロゲステロン(以下P)の作用機構解明の一環的に検討した。人PRのホルモン結合部位にあたるオリゴタクレオチドをprimerにしてPCR法によりブタ子宮内膜よりPRcDNAを得,これをprーobeにして顆粒膜細胞におけるPRmRNAの発現を検討した所,PRmRNAはLHにより用量依存的に誘導され、その頂値は3時間後であった。同様の効果はcAMP,hCG,FSHによってもみられたが,Pやエストロゲンでは認められなかった。すなわちP作用を仲介するPRの発現はLHによることを明らかにした。(B)人及びブタ顆粒膜細胞に対するモノクロ-ナル抗体作製の一環としてaminopeptidaseーN(以下FAN)の人卵巣における発現をモノクロ-ナル抗体により検討した所,ANは卵胞発育の各過程において莢膜細胞にのみ認められ,顆粒膜細胞には認められなかった。この結果はANが卵巣に働らく種々の活性ペプチドの分解を通じて卵巣機能の調節に関与することを示唆するとともに,ANが莢膜細胞の表面マ-カ-となることを示す。(C)ブタ培養顆粒膜細胞に対するcytokine,growth factorの作用として(1)ILー1は卵胞発育の初期から分化に対して抑制的に働いた。すなわち小卵胞由来顆粒膜細胞におけるFSH作用(aromatase活性,P分泌,LHリセプタ-,cAMP産生などの誘導をILー1は抑制し,作用機構は,cAMP合成と合成後の過程両面の抑制であった。(2)強力な血管収縮物質であるエンドセリン(以下ET)はブタ卵胞液中に存在し,顆粒膜細胞におけるLHによる黄体化(P分泌,cAMP産生,形態変化)を阻止した。ETも卵巣機能の有力な調節因子である可能性を示した。
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