共通光路型顕微干渉計の試作と凝固・成長過程のその場観察
Project/Area Number |
02555143
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Research Category |
Grant-in-Aid for Developmental Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
金属加工(含鋳造)
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Research Institution | Institute of Space and Astronautical Science |
Principal Investigator |
栗林 一彦 宇宙科学研究所, 教授 (70092195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 英一 宇宙科学研究所, 助手 (40178710)
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Project Period (FY) |
1990 – 1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥10,000,000 (Direct Cost: ¥10,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥5,100,000 (Direct Cost: ¥5,100,000)
Fiscal Year 1990: ¥4,900,000 (Direct Cost: ¥4,900,000)
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Keywords | その場観察 / 顕微干渉計 / 凝固 / 結晶成長 / 境界層モデル / 界面安定性 |
Research Abstract |
光軸の調整に熟練を要する従来の二光束型顕微干渉計に代って、取扱いの容易な共通光路型顕微干渉計を新たに試作した。本光学装置を用いて透明な有機合金結晶(サクシノニトリル・アセトン)の一方向凝固過程のその場観察を行なった。サクシノニトリルは多数回の帯域精製を施したものを用い、減圧蒸留を加えたアセトンを溶質として用いた。試料セルには光学研磨を施した石英ガラスを用い、両端に加熱、冷却モジュ-ルを取り付け、セル内の温度を制御した。一定の温度勾配下で平衡させた後に、一定の速度で冷却し成長させた。その際の観察項目としては、明視野像による成長速度、界面形態と、干渉縞像による液相中の溶質濃度勾配とした。固液界面において局所平衡が成立すると仮定すると、成長は液相中の溶質の輸送に律速される。本研究では、液相中の溶質の輸送過程として、拡散と流れを考慮したモデルを定式化し、実験との比較を行なった。結果は、界面近傍における拡散層の存在を仮定した拡散境界層モデルが実験結果を良く説明した。干渉縞像からは、界面近傍において著しい濃度勾配が観察され、その値は成長速度と良い対応を示していることが分った。また濃度勾配の顕著な領域の大きさは先述の境界層モデルの計算値とも良く一致していた。成長方向を重力ベクトルの方向にとった実験では、トレ-サ-の移動から求めた流速が大きくなり、境界層幅は減少すること、したがって成長速度が大きくなることが明確に観察された。以上をまとめると、本研究で試作した共通光路型顕微干渉計は、界面形態、界面移動速度のみならず、環境相中の情報、例えば濃度勾配、流速の空間分布の測定に適しており、地上における結晶成長過程の解析はもとより、軽量、耐振性等の構造上の特徴は宇宙空間等の微小重力環境中での使用を可能にするものといえる。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)