Project/Area Number |
02610009
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
印度哲学(含仏教学)
|
Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
針貝 邦生 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (50124813)
|
Project Period (FY) |
1990
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1990: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | ミ-マ-ンサ- / クマ-リラ / 聖典解釈 / 教令 / 形相論 / 言語 / バラモン |
Research Abstract |
「クマ-リラの研究」と題した本研究の平成2年度に計画したのは、クマ-リラ作のシュロ-カヴァ-ルティカの「教令ス-トラ」と「形相」の二章、タントラヴァ-ルティカの第一巻第三章「聖伝章」の「形相論題」の解明であった。その中で前二章はパ-ルタサ-ラティミンシュラの注釈ニヤ-ヤラトナ-カラに基づく和訳を完成し、後者はソ-メ-シュヴァラの注釈ニヤ-ヤスダ-と、パリト-シャミシュラの注釈アジタ-を利用して和訳を完成した。また本研究を遂行するために購入したマッキントッシュコンピュ-タ-は、上記テキストの入力を了え、今後の両ヴァ-ルティカの語彙検索に備えている。以上の作業に基づいて本研究の目的とした問いであるクマ-リラのヴェ-ダ聖典および言語観、そしてそれによって開示される世界観と実在観の問題の探求は今後逐次発表され公刊される予定である。本研究によって今年度明らかになったことで平成3年度に公刊される成果の内容は次の通りである。クマ-リラは言語をヴェ-ダ聖典に用いられている聖なる言語(s^´rautavacana)と、世俗において用いられる一般の言語(laukikavacana)に分けた。両者はヴェ-ダ語と古典サンスクリット語の違いと一応考えられる。そして両者は言語の形態上明らかな相違を示す事実があるにもかかわらず、その表示対象、意味(artha)においては一致する、とする。この主張の根拠についてはいくつかの論点が示されているが、根本的には「教令(codana^ー)」の理解というミ-マ-ンサ-学派の要請に基づくものと考えられる。すなわち世俗の言葉の理解という人の共通基盤に立たないかぎりヴェ-ダ聖典も理解されないことになる。正統バラモンの世界はヴェ-ダに依存して成立している一方で、教令を発するヴェ-ダ聖典といえども世俗にある意味では依存しているという一種の相互依存の関係の構造があることが明らかになった。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)