Possible selfの構造と特性に関する検討
Project/Area Number |
02610039
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Psychology
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
遠藤 由美 上越教育大学, 学校教育学部, 講師 (80213601)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1990: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 理想自己 / 現実自己 / 可能自己 / 自己評価 |
Research Abstract |
本研究では、(1)小学生から大学生までを対象に、「可能性としての将来の自己」について記述を求めpossible selfの内容を明らかにすること、(2)それに基づいて質問項目を作成し、現実自己、可能自己、理想自己についての評定結果からそれらの相互関係を明らかにすること、(3)自己評価との関連を検討すること、の3点を目的としておこなわれた。(1)については20答法と自由記述法を実施したが、大学生においてさえ記述が困難であった。そこで、大学院生30名に理想自己、現実自己に関する短文を作成するよう求めてそれを整理し、合計7領域50項目からなる質問紙を作成した。そして、大学生(n=110)と成人(n=96)を対象に、理想自己・現実自己・可能自己について5件法で評定させた。まず理想自己における大学生と成人との比較では全体的水準としては違いが見られないが、人間関係やパ-ソナリィティの領域では大学生のほうが得点の高い項目が多く見られる。現実自己・可能自己では、大学生は人間関係で成人より自己認知が肯定的で、パ-ソナリティや学業・仕事領域で否定的である。このことから、大学生は人間関係やパ-ソナリティの領域に関心が集中し、それらに関して理想像を描きそれを内的規準として現実の自己を認知し、また将来の自己の姿を予測していることが示唆される。自己評価とのかかわりについては、理想自己評定を基にそれぞれの項目に対する各個人の重要性を決め、それに従って現実自己と可能自己の得点を算出し、自尊感情との相関を検討したところ、自己にとって重要だとされる項目における現実自己・可能自己の得点と自尊感情との間にはやや強い相関が見出されたのに対して、自己にとって重要でない項目ではほとんど相関が見られなかった。このことから、自己にとって重要な規準を現実の自己がどの程度満たしているか否かという認知およびどの程度達成可能だと認知しているかが自己評価に関係していることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)