Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1991: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
平成2年度に行われた研究の成果に手を加わえ,気質検査252項目を計量心理的に分析し,統計的基準を満足させる項目が選ばれた。項目と尺度得点との相関により,測定したい特性の尺度では,有意な相関,他の特性を測度とは有意でない相関を示した項目が選抜され,下位尺度5つから7つからなる尺度が作成された。すなわち興奮の強さ,抑制の強さおよび易動性の尺度が構築され,因子分析により確認された。これはパブロフの気質構造の仮定を支持するものであった。実験用の尺度としては,まだ項目数が多いので,16ある下位尺度に最良の項目を5つづつ選び,短縮版が作成され,X係数が算出され,尺度として十分に利用できる信頼性が得られた。 これらの成果は,1991年にポ-ランドのワルシャワ大学で関催された気質研究のワ-クショップで発表された。しかし標本数がやや不足しているため,いくつかの批判を受けたので,兵庫教育大学から昭和女子大へ移ってのち,資料をおぎない,男女の標本数が比較可能であるように努めた。現段階では,ワ-クショップで得られた結果と大差はないが,より精密な分析を必要としている。 1992年度には,さらに,気質研究でしばしば使用される性格検査との相関関係が求められた。標本数が不足しているため,結論を述べるには不十分であるが,欧米の研究に類似しているので,気質は,文化にはあまり影響されない生物学的基礎が強く影響するという仮定をもつにいたった。従来の気質研究は主として欧米で行われてきたので,日本の資料は貴重である。現在,この仮定の一般化を目指して中国の同僚に共同研究を依頼しているところである。
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