心理的ストレスが動物のアルコ-ル摂取行動におよぼす効果
Project/Area Number |
02610071
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Psychology
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
磯 博行 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (80068585)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 心理的ストレス / アルコ-ル摂取 / ラット |
Research Abstract |
さまざまな心理的ストレスがヒトの飲酒のひきがねになると言われている。本実験はこの問題を動物モデルにより確かめた。ウイスタ-系オスラットを被験体に、RunningーwheelでのPassive回避を心理的ストレスとして、そのアルコ-ル(A、10%、v/v)ー水(W)選択におよぼす効果をしらべた。まず、ホ-ムケ-ジにおいて2びん法を用いてA嗜好性を調べた後、Passive回避を学習させた。翌日より12日間の連続セッションを行った。1日を10ー150分の24の期間に分け、うち12回はストレス(S)期(回避)、残る12日は休息(R)期とし、SとR期を交互に与えた。最初の2日間はWーWの選択を、次の10日間はWーAの選択を、常にW、A、餌をとれるようにして調べた。その後4日間、再びホ-ムケ-ジのもどし、2びん法によりA嗜好性の変化を調べた。 結果:1.ラットはSとR期の弁別を確実に学習し、S期には1時間あたり1回程度の電撃を受けただけで静止行動を続けた。これはラットにとって心理的なストレスとなった。2.ラットのA選択行動はこの心理的ストレスの影響を受け、大きな個体差があらわれ、A嗜好動物は、Aばかりを摂取し、逆にW嗜好動物はAを忌避した。3.全般にS期のA摂取はR期よりも低い。4.セッション終了後、ラットのA嗜好性は大きく低下した。 これらの結果は、一部の動物で心理的ストレスはストレス中のA摂取を強め、その場合R期の摂取量がS期を上回ることから、「ストレスからの解放がA摂取を強める」という仮説を支持した。しかしながら、たとえA嗜好動物でもストレス経験後のホ-ムケ-ジでのA摂取は大きく減少し、またW嗜好動物はストレスセッション中のA摂取を減少させたため、ラットにとってストレスはA摂取を抑制する効果を持つようである。この点はヒトで一般に言われている飲酒のストレス原因説を支持しない。今後さらに強いストレスを用いて検討したい。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)