Project/Area Number |
02610089
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
社会学(含社会福祉関係)
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
辻 正二 宮崎大学, 教育学部, 助教授 (10123936)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1990: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 老人処遇 / 高齢者 / ラベリング / 老人差別 / 自我像 |
Research Abstract |
今回の研究の目的は、地域社会において老人がどのようにして「老人」になっていくかを、老人処遇過程という視点で研究することにあった。そのために本年度の研究では、宮崎市近在に住む若者(大学生と短大生)と、55歳以上の向老期と高齢期の住民(宮崎市内の4地域において居住)に対してアンケ-ト調査を実施した。また、アンケ-ト調査作成過程で、今後の調査の展開のために老人の聞き取り調査も実施した。 調査の中で使用した設問は、老人線、敬老精神の認知、姥捨て観、社会的な老人排斥観、老人の呼称、自我像などである。 まず、概括的述べると、老人線では、若者のみる老後開始認識は、定年という捉え方が一番多いのに対して、老人の場合は、身体の不自由さという捉え方が6割近くを占める。また、老人線も若者の場合、60歳以上とするものが33%みられ、年齢を低くみる傾向があるのに対して、高齢者の方は半数が「70歳以上」を老人線と捉え、「75歳以上」というのも2割を占めていた。若者と高齢者には老人線に関して違った認知がみられた。さらに、わが国におけるて敬老精神の有無を調べたところ、若者の74%が敬老精神が「ない」とみるのに対して、高齢者の52%が「ある」と答えていた。農村地域の高齢者では敬老精神を「ある」(64.3%)とみるものが多く、都心の高齢者(47.2%)は少なくなる。また、老人呼称に関する項目では、「好きな言葉」「嫌いな言葉」をみたが、高齢者と若者の両方で「熟年」がいちばん人気がよい。「嫌いな言葉」では高齢者では「恍惚の人」が、若者では「老婆」が一番人気が悪かった。若者には、老人への距離があり、それが老人像を固定化する傾向があるようである。高齢者にあっても向老期の年代が「老人処遇」のネガティな反作用に一番敏感であった。老人を排斥する傾向の有無については、高齢者の4分の1が排斥の存在を認めていた。若者はこれに関して無回答が多かった。
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