Project/Area Number |
02610154
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Japanese history
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Research Institution | University of the Sacred Heart |
Principal Investigator |
佐藤 信 聖心女子大学, 文学部, 助教授 (80132744)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1990: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 出土文字資料 / 木簡 / 墨書土器 |
Research Abstract |
各地の古代遺跡からの出土文字資料について、情報収集を行うとともに、その整理・検討および考察を進めた。デ-タの収集・整理は、将来のコンピュ-タ入力に向けての準備となるものである。まず木簡については、新出史料である長屋王家木簡・二条大路木簡中の地方諸国からの貢進物荷札木簡を調査し、カ-ド化するとともに地域別に整理した。地方組織の検討・分析の個別研究として安房国の木簡をとり上げ、中央の氏族伝承とあわせて考察し、鰒や細布の貢進をめぐる安房国の「御食国」としての歴史的特質を指摘する報告を行った(「宮都出土の安房の木簡」、平成2年10月10日木簡学会公開研究会・フォ-ラム古代東国と木簡)。また、新潟県和島村八幡林遺跡・山口県美東町長登銅山遺跡・福岡市鴻臚館跡など出土木簡の調査と検討を行い、国域・郡域を越えて機能した文書木簡・貢進物荷札木簡のあり方から、古代地方組織における情報伝達の様相について考察を進めた。この点では、秋田市秋田城跡出土漆紙文書の国府あて書状や、郡域を越えて出土する墨書土器の諸例について、あわせて検討した。また、文字瓦・金石文については、個別研究として堺市土塔出土文字瓦や熊本県豊野村浄水寺碑の調査を行った。出土文字資料を全体として把握する試みとしては、栃木県南河内町下野薬師寺跡をめぐる出土文字資料の集成・検討を行った。以上を総合して出土文字資料の性格・機能についての基礎的認識の形成へと一歩近づくことができたと考える。なお、出土文字資料を研究テ-マとする研究者との情報交換を通して、今後の共同研究の場の設定にむけて問題提起を行った。
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