Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
1.接フィルタ-付き多様体上の幾何構造についての基礎理論を展開した。これは,接フィルタ-が自明な場合として従来の多様体上の幾何構造の理論を含んでおり,極めて統一的な視点と枠組を提供する。特に, (1)幾何構造の延長理論, (2)包合的な幾何構造, (3)カルタン接続が構成できるための一般的な判定法, などについて顕著な進展を得た。主要結果は,既に数年前研究代表者によって得られているが,さまざまな応用を考えながら,理論を整理し,体系的に詳しく展開する作業が進められ,現在長編の論文にまとめられつつある。 2.接フィルタ-付き多様体上のベクトル束に対して,新しく重み付きのジェット束の概念を導入し,これを基礎にして従来とは異る新しい視点から微分方式の可解性について研究した。特に, (1)接フィルタ-付き多様体上の微分方程式系の形式的可能性を判定するための理論を,重み付きジェット束を用いて展開し基礎を確立した。 (2)一般化されたスペンサ-コホモロジ-群は,包合的な幾何構造や微分方程式において重要な役割りを演ずるが,この具体的な計算方法を与えた。 (3)微分方程式の解の収束性の問題において,通常の多様体上と,接フィルタ-付き多様体上とでは,著しい違いのあることが発見された。既ち,接フィルタ-付き多様体上では,形式的可解な微分方程式系は,必ずしも解析的な解を持たないが,常にある形式ジュブレ-関数の解を持つという極めて基本的な定理がえられた。
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