Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 潤次郎 東京工業大学, 理学部, 教授 (20033920)
森田 茂之 東京工業大学, 理学部, 教授 (70011674)
藤原 大輔 東京工業大学, 理学部, 教授 (10011561)
丹野 修吉 東京工業大学, 理学部, 教授 (10004293)
岡 睦雄 東京工業大学, 理学部, 教授 (40011697)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
古典的代数幾何学での射影多様体の概念を現代的見地から一般化したものとして,偏極多様体,即ち代数多様体とその上の豊富直線束の対を考察し,それらの分類理論を整備発展させていくことが代表者の研究目標であった。本年度に於ては,デルペッツォ多様体と呼ばれる種族について分類理論がほぼ完成した。さらに,デルペッツォ多様体を一般ファイバ-とするような偏極多様体の一次元変形属に出現し得る特異ファイバ-を分類することにも成功した。他方,偏極多様体を含むより広い対象として,代数多様体とその上の豊富ベクトル束の灯を考え,その随伴直線束の性質を森・川又理論を用いて調べることにより,射影空間や二次超曲面などの上の種々のベクトル束の特微づけに関する新旧の諸結果を統一的見地から導出することができた。なお,偏極多様体の随伴直線束の性質に基きエネルギ-と呼ばれるべき不変量が定まるのであるが,特異点に対しもよく似た不変量が定義でき,これらの不変量による分類も互いにそっくりであることが判明しつつある。さらに,量子力学でのエネルギ-スペクトル理論と類似した現象も観察されているが,その本質を理論的に解明するのは現段階ではきわめて困難である。各分担者に於ては次のような成果が上がった。岡は非退化完全交叉多様体の位相幾何的諸性質を研究し,自然な滑層分割の存在を示し,孤立特異点の主ゼ-タ関数を決定した。丹野は三角関数に関係したある種の関数の無限区間積分について応用範囲の広い一般公式を発見した。またCR構造のある不変量につき,その性質を調べた。藤原はファインマンの経路積分がソボレフ空間上の広義積分として収束することを証明した。森田はトレリ群の構造と3次元ホモロジ-球面のカッソン不変量との関連を明らかにした。野口は偏極ア-ベル多様体のモデユライ空間について研究した。
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