Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 雅治 岡山大学, 教養部, 助教授 (30166441)
池畑 秀一 岡山大学, 教養部, 助教授 (20116429)
中嶋 惇 岡山大学, 教養部, 教授 (30032824)
野田 隆三郎 岡山大学, 教養部, 教授 (70029726)
脇本 和昌 岡山大学, 教養部, 教授 (90033159)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
代数体の研究の方法の一つとして、代数体上のヒルベルト・モジュラ-形式の研究がある。本年度は従前行なったヒルベルト・モジュラ-群の研究に引き続き、拡大ヒルベルト・モジュラ-群を対象として研究を行なった。実2次拡大体Kの整数環に付随して定まる拡大ヒルベルト・モジュラ-群に対する重さ2の尖点形式の作る空間の次元の計算を行なった。この群は、2次体Kが-1のノルムを持たないときは、通常のモジュラ-群と異なっている。この空間の次元は、次の2次体に関連した数論的量により決定される。 (ア)単位元の寄与…2次体Kのデデキント・ゼ-タ関数の特殊値、 (イ)位数2,3,4,6,12の橢円元の寄与…体Kの判別式d_kに関連した数個の虚2次体の類数 (ウ)尖点の寄与…体Kの判別式d_k=d_1・d_2(ただしd_1,d_2は虚2次体の判別式となるもの)のすべての分解に渡る虚2次体Q(√<d_1>),Q(√<d_2>)の類数で及び単数群の位数 上記の諸量は計算可能であり,1<D<1,000の間の平方因子を持たないDに対して実2次体Q(√<P>)についてのコンピュ-タによる数値計算を実行した。これよりD=2,3,5,6,7,13,15,17,21,23,69の11個の2次体に対しては2の次元は零となることが確認された。 この他本年度は、重さ1のヒルベルト型尖点形式の次元公式についてその定性的構造を研究し、現在その成果を取りまとめ中である。 最後に当補助金により、多くのシンポジウム等に出席でき、また平松豊一神戸大学助教授を招き研究を行なえたことは、大変本研究の実施に役立ったことを付記する。
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