Research Abstract |
戸瀬信之は,第2超局所化の手法を用いて,主として包合的な特性多様体をもつ双曲型方程式の内部問題の解の構成を研究し,解の特異性の分解定理を得た。片岡清臣は,混合問題の代数解析的研究において重要な役割を果たした層の再構成,および,Treves等によって扱われてきた退化楕円型作用素の準楕円性の代数解析的な見通しのよい証明を与えた。小松彦三郎は,佐藤超函数のプラス変換の理論を拡張し,ジェブレ族などの超函数半群の理論を見通しよくした。さらに,佐藤超函数とマイクロ函数の理論を,調和函数とその解析接続を用いることにより初等的に定義することに成功した。寺田至は,Λ〓^<2mn>に作用するリ-群の組(Sp(2m,〓),Sp(2n,〓)に関連するRobinsonーSchensted型対応を,組み合せ論的に自然と思われる方法で具体的に構成した。小林俊行は,半単純対称空間や,GL(n,〓)/〓^nなどの種々の具体的な簡約型等質空間,あるいは,その上のベクトル束上の正則表現を研究し,そこに出現するリ-群の重要な表現を決定した。さらに,簡約型等質空間に作用する不連続群を研究し,いままで知られていなかった一様格子の構成に成功した。大島利雄は,毎週2回のセミナ-を中心に,上記研究のとりまとめを行い,昨年9月には,リ-群の表現論に関する国際シンポジウムを主催した。また,半単純リ-群の等質空間,または,その上のベクトル束上の正則表現で,すべての表現が重複度有限となるための必要十分条件を与えた。さらに,半単純対称空間の場合に,不変微分作用素の同時固有空間のKー重複度を決定した。また,楕円型微分方程式のアプリオリ評価を精密化することによって,緩やかな増大度を持つリ-群の表現の種々の同値性を証明した。
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