Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 浩 愛媛大学, 理学部, 教授 (70023570)
北川 高嗣 愛媛大学, 理学部, 講師 (60153095)
山本 哲朗 愛媛大学, 理学部, 教授 (80034560)
須藤 清一 愛媛大学, 理学部, 助手 (50196903)
北川 桂一郎 愛媛大学, 理学部, 助教授 (00025404)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
研究の主流となった作用素環,リ-環の研究と,微分方程式論および束論への応用についての実績を述べる。 1.ヒルベルト空間上の射影作用素の作る束の上に定義された確率測度の線形拡張定理を一般化した,von Neumann環の射影元の作る束の上の確率測度の環全体への線形拡張の問題は,これまで何人かの研究者の論文で略証明出来たように見えていたが,これらの論文には若干の重大な誤りが含まれており,これらを正確かつ完全なものとしてまとめておく必要があったが,今回それに成功して数理物理学の雑誌にレビュ-論文として発表し,さらにこれに関連をもつ量子力学の論理の問題について詳しく検討を行った。 2.単独線形偏微分方程式に対するC^∞カテゴリ-での非特性初期値問題を扱い,解の存在のための必要条件について深く考察し,方程式の係数の退化の度合いを用いて条件を表すことに成功した。またさらに問題を進めて,初期面を動かす場合を考察し,適用する方程式の枠も拡大してFuchs型方程式に対する初期値問題のような特性初期値問題にも拡張して結果を改良することが出来た。 3.表現論についての研究として,KacーMoody環のユニタリ実形と呼ばれるもの,これは有限次元のLie環でいえばコンパクト実形に相当するものであるが,これには付随する群を,KacーMoody環の表現を利用して構成することに成功し,これについての詳しい解析を行った。 4.束論に関する研究では,マトロイド束における劣加法的関数と,それに対応するマトロイドの構造を詳しく調べ,1つのマトロイドを作り出す劣加法的関数の数とマトロイド自身の性質との関係についての考察を行った。既に研究集会で講演発表をし,近く論文にまとめる予定である。
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