Project/Area Number |
02640167
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General mathematics (including Probability theory/Statistical mathematics)
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
松本 裕行 岐阜大学, 教養部, 助教授 (00190538)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北詰 正顕 岐阜大学, 教養部, 助教授 (60204898)
萬代 武史 岐阜大学, 教養部, 助教授 (10181843)
室 政和 岐阜大学, 教養部, 助教授 (70127934)
志賀 潔 岐阜大学, 教養部, 教授 (10022683)
尼野 一夫 岐阜大学, 教養部, 教授 (40021761)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Keywords | シュレディンガ-作用素 / 磁場 / 固有値 / 漸近分布 |
Research Abstract |
本年度は主として、磁場の中のシュレディンガ-作用素の固有値に対する漸近分布について研究を進めた。その結果、強い磁場又は遠方で早く発散するスカラ-ポテンシャルをもつシュレディンガ-作用素に対するほぼ最終的ともいえる一般的な結果を得た。 手法は対応する半群のトレ-スを考えて、時間パラメ-タ-を0に近づけたときの漸近挙動を調べ、最後にタウバ-型定理を使うという、いわゆるKacの方法である。トレ-スの漸近挙動に対して一般的な公式を与えたのが成果の重要な部分であり、結果の仮定からはずれるとトレ-スそのものが存在しないと思われ、この方面の最終的な結果と言えると考えている。 課題に挙げた確率論的手法についても、証明の中で有用であるばかりか、本質的に使った。つまり磁場を考える際には確率面積に対するLe^^´vyの公式が重要で、考えない場合も含めてFeynmanーKacの公式ともども、結果の予測及び証明の中で本質的な役割を果した。これらは本年度中に2編の論文で、成果の一部を発表できた。 上に挙げたものは通常のユ-クリッド空間上で考えたシュレディンガ-作用素に対する研究だが、課題の1つの多様体上で考えた作用素に対しても、池田信行氏との共同研究により同様の結果を得た。これにより結果の幾何学的意味等が明らかになった。これについても発表が決っているが、幾何学的に不満のある仮定の下でないと証明できないので未だ研究の余地があると考えられる。 次に固有値の現れ方を詳しく見ようと、量子カオスに関する文献により学習を進めた。固有値どうしの差を見ようとする重要な問題である。また第1、第2固有値の差については他の方法を使って研究を進めているがまとめるに至っていない。
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