Project/Area Number |
02640252
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
江尻 有郷 東京大学, 教養部学, 助手 (70012383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
波田野 彰 東京大学, 教育学部, 助手 (10012395)
中川 和道 神戸大学, 教育学部, 助教授 (00134403)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | アルカリハライド / 量子井戸励起子 / 量子閉じ込め効果 / 界面混晶 / 励起子バンド / 超高真空実験槽 / ブル-シフト / 単一井戸構造 |
Research Abstract |
アルカリハライド量子井戸励起子に関する従来の分光学的研究による諸成果を基礎とする本研究の本年度の主要課題は、量子閉じ込め効果に重要な役割を演じる界面混晶の生成と蒸着速度並びに熱焼鈍温度との関係を調べることである。この課題は生成した界面混晶の検出法確立の課題も含み、互いに表裏の関係をなしている。本年度達成された研究成果は以下のような点である。 1.分光実験で得られた界面混晶にに関する知見として、RbCl(バリア)ーKBr(井戸)やKCl(バリヤ)ーKBr(井戸)の組合せの単層膜、二層膜、及び三層膜構造で、それぞれ熱焼鈍の有無や焼鈍温度を変えるなどして作製した試料において、閉じ込めを受けた吸収端励起子バンド(量子井戸励起子)と区別されて井戸層ーバリア層間に生成した界面混晶層の励起子による吸収バンドが同定された。このような知見より、吸収スペクトルを使った、界面混晶の有無やその強弱の定性的評価が可能になった。 2.超高真空実験槽を用いた井戸構造キャラクタリゼイションに関しては、 (1)同実験槽の真空立ち上げテスト (2)低速電子線回折(リ-ド)像の観測テスト及びSiやLiF単結晶のリ-ド像の写真撮影テスト (3)単結晶表面のオ-ジェ分光観測テスト 等を実施し、引続き多層膜に関する同様なテストが進行中である。 3.新規購入のタ-ボポンプ用に液体窒素トラップ付き排気マニホ-ルドを設計製作し、完成を見たので高性能排気系として、当面、上記実験槽排気に供することにした。 4.その他、分光実験では1.で述べた成界に加えて界面混晶のない十分薄い井戸層の単一井戸構造の吸収スペクトルが調べられ、アルカリハライド量子井戸励起子のブル-シフトが準粒子モデルの一次元運動エネルギ-でほぼ説明できることが示された。 以上のように、交付申請書の実施計画にも述べられた上記課題達成の研究は着実に進展している。なお、今後の発展方向のひとつとして、分子科学研UVーSORの放射光を用いた量子井戸構造の発光測定を計画し、1991年度にマシンタイムが認められている。
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