Project/Area Number |
02640270
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物性一般(含極低温・固体物性に対する理論)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小林 典男 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (40111306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石本 賢一 東北大学金属材料研究所, 助手 (00212936)
岩崎 秀夫 東北大学金属材料研究所, 助手 (70168558)
三頭 聰明 東北大学金属材料研究所, 助教授 (30005938)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Keywords | ウラン化合物 / 逐次磁気相転移 / 中性子回折 / 磁気構造 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ウランを含む化合物UTGe(T=Ni,Pd,Pt)多結晶試料で観測されていた磁気相転移の機構を調べるため、単結晶試料を作製して、輸送現象、磁化、中性子回折等の実験を行ない、これらの物質の磁気的性質を明らかにすることである。 単結晶試料は、東北大理学部小松原教授及び東北大金研大洗施設の助力を仰ぎ、3極型ア-ク炉を使用して作製された。単結晶による中性子回折及び粉末X線回折により、いずれの試料でもTiNiSi型(斜方晶)の結晶構造を有することを明らかにした。この構造の特徴はウラン原子がa軸方向に沿ってジグザグチェ-ンを形成していることと、TとGeがオ-ダ-した状態にあることである。UNiGeは42Kに相転移温度T_Nを持ち、磁気単位胞と化学単位胞が一致する単純な反強磁性体である。磁気モ-メントはc軸に平行である。UPdGeは28K以下で強磁性、28Kから50Kで反強磁性の逐次磁気相転移を示す。中性子回折により、強磁性相の磁気構造は磁気モ-メントがc軸からb軸方向に36゚傾いた単純強磁性であり、また反強磁性相ではc軸に平行な磁気モ-メントがその軸に沿って約3倍の周期で伸び縮みする縦sinusoidal構造を持つことが明らかにされた。一方、UPtGeの場合には、50Kに反強磁性相転移温度を持つ。その磁気構造は磁気モ-メントがbc面内にあってQベクトルがb軸に平行なサイクロイド構造を有する。 以上の様に、遷移金属(T)元素を同族の3つの元素でおきかえることによって様々の磁気構造が現われるが、これは遷移金属を変えることによってbc面内の第2隣接及び第3隣接ウラン間の交換相互作用のバランスが微妙に変化するためと推測される。 尚、本研究には東北大学大学院理学研究科学生川又修一君が加わっていたことを付記する。
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