Project/Area Number |
02640297
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物理学一般
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
森田 紀夫 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (30134654)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | ヘリウム原子 / レ-ザ-冷却 / LNAレ-ザ- / 準安定三重項状態 / 超低温 / 単一モ-ドリング型レ-ザ- / ドブロイ波長 / ゼ-マン同調 |
Research Abstract |
He原子は、レ-ザ-冷却可能な最も質量の小さい原子であり、冷却によって長いドブロイ波長の状態を実現するには最も理想的な原子である。又、冷却に用いる共鳴準位が赤外遷移(λ=1083nm)であるために蛍光寿命が長く、冷却温度の最低限界が低い。しかし、これらの特長は、逆に実験上の困難となる。即ち、軽いために初速度が速く、蛍光寿命が長いために減速率が小さい。更に、十分な安定度と出力をもつ波長1083nmのレ-ザ-が市販品では入手困難である。これらのことを考慮して、本研究では以下のように装置の製作および実験を行った。 1.波長1083nmで発振可能な、LNA結晶をゲイン媒質とする単一モ-ド波長可変リング型レ-ザ-を製作した。これにより、最大300mWで発振線幅1MHz以下の十分安定なレ-ザ-光を得ることが出来た。 2.初速度を小さくするために、液体窒素で冷却することの出来る超音速ノズルビ-ム源を製作した。これを用いることで、常温では1800m/sのHe原子ビ-ムを950m/sに減速することが出来た。これにより、超低温に冷却するために要する距離を約1/4に縮めることができ、実験が可能となった。 3.He原子を準安定3重項状態に励起するための電子銃、零速度まで連続的に減速するために原子をゼ-マン同調するのに用いる不均一磁場コイル、及びそれらを真空中に納める真空容器、更に冷却効果を観測するための真空容器などを製作した。 4.以上の装置を用いて、He原子のレ-ザ-冷却を行い、原子線の軸方向の温度約1K、それに垂直な方向の温度1mK以下を実現することが出来た。 以上の結果を踏まえて、今後更に低温への冷却を試みる予定である。
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