Project/Area Number |
02640300
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体地球物理学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
ゲラ- ロバ-ト 東京大学, 理学部, 助教授 (40170154)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪井 誠司 東京大学, 地震研究所, 助手 (90183871)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 地球内部構造 / 地震波形インバ-ジョン |
Research Abstract |
本研究の目的は長周期デジタル地震記録の解析により、地球内部の3次元均質構造を求めることである。本研究の特徴は、従来の研究では初期モデルが球対称モデルに限られていたのに対して、任意不均質初期モデルを使うことが出来る逐次線形波形インバ-ジョン法を解析に用いることである。 インバ-ジョンを実行して、精密な地球モデルを得るためには、任意不均質モデルに対して理論波形とその偏微分係数を高精度で求めることが必要である。これまで我々は、変分法によって求めた地球の自由振動の正規モ-ド解の線形結合によってこれらの量を計算していた。今年度の研究で我々は、変分法と同じ精度で理論波形とその偏微分係数を計算できるDirect Solution法及びそのソフトウェアの開発を行った。変分法を用いた方法と比べて、Direct Solution法には、(1)非弾性の効果を安定に取り扱える、(2)計算効率がよい、(3)地球の回転、密度の不均質構造の効果の取り扱いが簡単、という利点がある。Direct Solution法の開発によって、地球内部構造を非弾性の不均質構造も求めることがこれまでより容易になった。 今年度の研究で我々は、Direct Solution法を実際の地震波形記録に応用した。今回は周期200〜220秒に相当する周波数帯域で逐次インバ-ジョンを行った。この帯域は深さの200〜300kmの地球内部構造に敏感である。S波の不均質構造を球面調和関数で展開し、展開係数の次数8(水平波長にして5000kmに相当)までの不均質構造を求めた。する。インバ-ジョンの結果は、200kmにおけるS波の速度不均質構造と地球表面にみられるテクトニクスに相関があることを示唆した。今後は、より短波長の不均質構造及び非弾性の不均質構造を求めるパラメタに含めて複数の周波数帯域のデ-タを用いてインバ-ジョンを行うことにより精密な地球モデルを決定する予定である。
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