Research Abstract |
1978年以来伊豆半島東方沖で繰返し発生した群発地震の一つの特徴は,それぞれの群発地震活動期間内において,比較的低いレベルの活動から急に地震数が増し,1〜2時間活動のピ-クを示したあと急に静かになるという,いわゆるバ-スト型活動を繰返したということである。従って,先づ,バ-スト型活動度を調べるため,1時間毎の地震回数の時間的な変化を1978年以降の全ての群発地震について調べた。その結果,このようなバ-スト型活動はこの10余年間で1様ではなく,時間の経過と共に著しく変化したことが明らかになった。即ち,この期間の前期ではバ-スト型活動が極めて顕著であったが,後期ではバ-スト型活動が依然認められるものの著しいものではなく,大局的には活動が急に始まり,高いレベルの連続的活動が数日間続いた後,単調に減衰して終息する。 そこで,何故バ-スト型活動が起こったのか,そして,その活動度が時間の経過と共にどうして変化したのかを検討した。この地域の群発地震は地下のマグマの上昇によって起こるとの考えに達した。活動の初期には小規模なマグマポケットが多数分布し,圧力の増加と共にそれぞれのマグマポケットでの貫入,破壊が続発した。そのために,初期においてはバ-スト性が著しかった。しかし,後期になると,破壊の進行によって,マグマポケットの合体,拡大が起こり,少数のより大規模なマグマの貫入が起こるようになり,バ-スト性が低下し,活動は連続的になった,と解釈される。 各バ-ストの活動の立上り,集中度,減り方などの詳細を明らかにするために,ハイドロホンによる高周波地震記録を5段階のフィルタ-を用いて分析した。その解析結果は目下検討中である。
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