Project/Area Number |
02640336
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物理化学一般
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
谷本 能文 広島大学, 理学部, 助教授 (10110743)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 磁場効果 / ビラジカル / 光化学 / ラジカル対 |
Research Abstract |
光化学反応に対する磁場効果の研究は新しいタイプの反応の制御法として、また反応の新しい解析法として重要である。本研究ではレ-ザ-閃光法により、メチレン鎖末端に官能基をもつモデル化合物の光励起により生成するメチレン鎖両端ビラジカルのスピンダイナミックスに対する温度効果・磁場効果などについて検討した。 1)メチレン鎖末端にキサントン(XO)とキサンテン(XH)をもつモデル化合物(XOーnーXH)由来ビラジカルの寿命に対する温度効果について検討した。-30℃から昇温してゆくと寿命が短くなるが0℃からさらに昇温し逆に寿命が長くなった。この傾向は鎖の数nが7〜20の間ですべてみられた。この新しい現象を解析するためにモデル反応スキ-ムによるコンピュ-タ-シミュレ-ションを行なった。その結果一重項ビラジカルからの再結合速度とメチレン鎖の運動速度の温度依存性が違うためであることが解明された。 2)XOーnーXH由来ビラジカルの寿命は顕著な磁場効果を示す。そのメカニズムを解明するため,磁場中のビラジカル寿命の温度効果について検討した。理論式に基づく解析の結果,芳番旅グル-プの回転により起こる双極子相互作用の時間的ゆらぎによる緩和が磁場中の寿命を決定していることが示された。同様の結果は常磁性イオン効果からも証明することができた。 3)ベングフェノンとジフェニルアシンをメチレン鎖末端にもつモデル化合物についても磁場効果の研究を行ないそのメカニズムを解明することができた。
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