Project/Area Number |
02640401
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
有機化学一般
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
上方 宣政 東京都立大学, 理学部, 助教授 (70087112)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 光学活性セレノニウムイリド / 光学分割 / 絶対配置 / CDスペクトル / X線結晶解析 |
Research Abstract |
光学活性有機硫黄化合物の合成とその立体化学に関する研究は、これまで数多く研究され、不斉合成にも応用されている。一方、セレンは硫黄と同族元素であり、多くの有機セレン化合物は相当する有機硫黄化合物と類似の構造を持つと考えられているが、光学活性セレン化合物の合成と立体化学に関する研究は非常に少い。本研究は光学活性セレン化合物の合成と物性に関する研究の一環として、光学活性セレノニウムイリドを合成・単離し、その立体化学を明らかにすることを研究目的とした。単体セレンを出発原料に用いて5段階の合成経路により、セレノニウムイリドのジアステレオマ-であるメチル〔4′ー(lーメンチルオキシカルボニル)フェニル〕セレノニウム 4,4ージメチルー2,6ージオキソシクロヘキシリド(dia.ーl),mp88〜92℃,〔α〕_Dー38.1゚(C1.01MeOH)を合成した。dia.ー1をヘキサンーエ-テル混合溶媒から分別再結晶することにより、ジアステレオマ-の光学分割を行った。再結晶を7回繰り返すことにより、光学的に純粋な一方のジアステレオマ-(dia.ー1a)を単離することに成功した。dia.ー1aの物理的性質を以下に示す。光学純度100%,〔α〕_D(MeOH)+22.6゚,CD〔θ〕_<266>(MeOH)+1.48×10^4,mp135.5ー136.5℃。再結晶の母液からは他方のジアステレオマ-(dia.ー1b)が光学純度27%で得られた。〔α〕_D(MeOH)ー54.1゚,mp102ー104℃。得られた光学活性セレノニウムイリドのピラミッド反転によるラセミ化速度を測定した。その結果、このイリドはクロロホルム中80℃に加熱してもラセミ化は起こらず、さらに100ー120℃に加熱すると分解した。これまで知られている硫黄イリドに比較して、セレノニウムイリドは熱ラセミ化に対して非常に安定であることがわかった。dia.ー1aのX線結晶解析を行った。その結果、セレン原子はSP^3混合のピラミッド構造をもつが、通常の四面体講造と比較して、幾分鋭角な結合角をとっていることがわかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)