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¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
新らしいメタラジカルコゲノレン環化合物の合成と環の反応特性の解明を目的として、(1)含カルコゲン1,3ー双極性化合物あるいはメソイオン化合物と配位不飽和遷移金属錯体との反応による新らしい環系のメタラサイクルの構築,(2)メタラジカルコゲノレン環の反応特性の解明(各種有機化合物との付加体生成、付加体の構造,付加体の反応)の観点に立って研究した。 (1)1,3ー双極性化合物,アリ-ルニトリルスルフィド,およびメソイオン化合物,4ーアリ-ルー1,3,2ーオキサチアゾリリウムー5ーオレ-ト,は〔Coー(Cp)〕種と反応して新らしいメタラサイクルCoーSーN=CーS(コバルタジチアゾ-ル)を生成することを見出した。特にCP^*(Me_5C_5)を持つ錯体は安定性に優れ、懸案になっていた構造の確定を可能にした。メソイオン化合物,2,5ージアリ-ルー1,3ージチオリリウムー4ーオレ-トと〔Co(Cp)〕との反応においてもメタラジチオレン環が生成することが見出されているが,2個のアリ-ル基のメタラジチオレン環への取り込みの検討から,これら新規反応の機構の解明を行っている。 (2)メタラジカルコゲノレン環は、金属ーカルコゲン部位に反応性を持ち興味深い反応性を示す。ジアゾアルカンとの反応ではN_2の脱離を伴ってアルキリデンがCoーカルコゲンに〓った形の付加体を生成する。この付加体のCoはさらにP(OMe)_3と結合する。この反応による構造変化をX線構造解析によって明らかにした。メタラジカルコゲノレン環の特異な反応性を示すものにクワドリンクランとの反応があり,1:1付加体を生成するとともにノルボルナジエンへの異性化が起こる。本来度において,2種類の付加体のX線構造解析に成功したが,両者ともノルボルネンの橋部炭素が金属あるいはカルコゲンと結合した形をしており,炭化水素部位での転位を含む特異な反応の存在が示唆される。
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