NMRを用いた天然有機化合物の絶対構造決定法の開発
Project/Area Number |
02640420
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
天然物有機化学
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
楠見 武徳 筑波大学, 化学系, 講師 (70015882)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柿澤 寛 筑波大学, 化学系, 教授 (50015492)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 絶対配置 / NMR / Mosher法 / 二級アルコ-ル / 一級アミン |
Research Abstract |
有機化合物の絶対配置を決定することは極めて困難であり、非常に限られた二三の方法が知られているのみである。 我々は最近、経験的な絶対配置決定法であるMosher法に近代的改良を加えた新Mosher法を開発した。本申請では、二級アルコ-ル基および一級アミン基を有する天然有機化合物についてMTPAエステル誘導体のNMR解析を行い、それらの絶対構造を決定する方法を確立することを目的とした。その目的に従い次の研究を行なった。 (1)二級アルコ-ルを含む絶対構造既知の数種の海洋性天然物について(R)および(S)ーMTPAエステルを調製した。それぞれの物質について500MH_zーNMRスペクトルを測定し、新Mosher法の妥当性を確かめた。(2)絶対配置が未知である海洋性トリテルペンについて新Mosher法を適用し、その絶対配置を決定した。(3)一級アミンについて、それらのMPTAアミドが二級アルコ-ルのエステルと同様な挙動をするかを実験的に確かめた。すなわち、絶対配置が既知であるNーアセチルーLーアミノ酸メチルエステルを用いこれらについて(R)および(S)ーMTPAエステルを合成した。各々のプロトンシグナルを帰属し、Δδ値を求めたところ、新Mosher法は全く問題なくこのような鎖状の1級アミンにも使用できることがわかった。(4)旧来の方法では、MTPAエステルの合成の際MTPAクロリドを用いたが、この物質は不安定であり、また市販されていないなどの欠点を持っていた。そこで、申請者は、市販されているMTPAアシドとDCCとを組み合わせて、簡便にMTPAエステルおよびアミドを合成する方法を確立した。 本研究を遂行するに当り、NMRインバ-ス実験用CHデュアルプロ-ブは非常に重要な役割を果たした。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)